モバイル活用に欠かせないセキュリティ対策
いまさら聞けないEMMの基礎知識 無料ツールはある? 代表的ベンダーは?
企業向けIT環境ではモバイル活用の重要性が高まっていることから、適切なエンタープライズモバイル管理(EMM)を実装することは多くの企業にメリットがある。EMMについてよくある質問に答えておこう。
童話「シンデレラ」で主人公を助ける妖精が、時計が12時を指したときのルールを定めたように、IT部門は従業員が私用デバイスを業務に利用する際のガイダンスを提供する必要がある。
リモート環境で仕事ができることは、ほとんどの従業員にとってはおとぎ話だ。時間や場所を問わずに仕事ができると、効率性や自由度が高まる可能性が高い。だが、こうしたオプションには、IT部門の意識の向上とセキュリティの強化が必要になる。セキュリティに対するIT部門の懸念を一掃する最も包括的な方法が、エンタープライズモバイル管理(EMM)をセットアップすることだ。
EMMツールは従業員を監視する基本的な機能に全て対応する。だがこうしたスイート製品は、特に小規模企業にとっては高額な可能性がある。高額なパッケージ製品の代わりに使える無料のオープンソースEMMツールもある。オープンソースは、IT部門にとって常にありがたい存在だ。
通常のEMMツールに含まれる機能
EMMは、従業員が持つべきモバイルデバイスへの責任に対し、体系的アプローチを提供する。この体系的アプローチには、モバイルデバイスだけでなく、ワイヤレスネットワークなどのモバイルコンピューティングサービスの管理も含まれる。
一般に、EMMツールにはモバイルデバイス管理(MDM)、モバイルアプリケーション管理、モバイルコンテンツ管理、統合エンドポイント管理という4つのコンポーネントがある。EMM戦略の立案を成功させるには、IT部門がこれらのコンポーネントをそれぞれ、同期を取って機能させ、デバイスからの各ユーザーアクセスに対し、同じレベルのセキュリティを確保しなくてはならない。脆弱(ぜいじゃく)なリンクがあると、システム全体が脅威にさらされやすくなる。
最終的には、EMMによって企業活動の倫理、データ保護、従業員の責任の方向が決まる。
最新のEMMソフトウェアは、デバイス自体だけではなく、企業データの保護を強化する。データ転送、Wi-Fi接続、アプリ操作に関するセキュリティのニーズに対する懸念が広がっている。Googleの「Android」やAppleの「iOS」などのOSは、デバイスのセキュリティを強化するオプションを提供するようになっている。だが、EMMソフトウェアでは、ユーザーがセキュリティのベストプラクティスに従うのを頼みの綱にするのではなく、IT部門が企業レベルでセキュリティの設定を作成できるようにする。
利用可能なEMMツール
VMware、MobileIron、IBM、BlackBerryはEMMプロバイダーとして常に上位に位置付けられている。だが、大手EMMベンダーの大半は、職場でのモバイル導入に向けて急速に合併を進めている。例えば、VMwareがAirWatchを、IBMがFiberlink MaaS360をそれぞれ買収した。ソフトウェアの大手ベンダーが独自のEMM機能を絶えず開発しているため、EMMベンダー市場は縮小している。
このようなモバイル指向の考え方により、SAP、Microsoft、Citrix Systemsなどの企業は、自社のソフトウェアパッケージにモバイル管理を組み込むようになっている。その範囲は、EMMの基本機能から、高度な分析などのビジネスオプションを含むエンタープライズスイートまで及ぶ。Ivanti、NationSky、Cisco Systemsなどの特定分野のEMMベンダーやオープンソースEMMツールによって企業に柔軟性がもたらされるが、信頼できる検証済みのソースを利用できなくなることは決してない。
オープンソースのEMMツールを検討
オープンソースのEMMツールは無料のオンラインモバイルデバイス管理サービスなので、そのコードは誰が使用しても、変更しても構わない。大手ベンダーのソフトウェアを使用する予算はないが、EMMプラットフォームを試験的に検討する企業にとっては魅力的な選択肢といえる。また、IT部門が管理戦略を試験して自社従業員のニーズに最適なデバイスを判断するのにも役立つ。
もっと簡単なデバイス管理ツールをセットアップしたいIT部門は、Appleの「Configurator 2」、Googleの「Android Device Manager」や「Miradore Online」を試してみることができる。自社のニーズに最適になるようにカスタマイズできるオプションを求めている場合は、オープンソースの「Sample iOS MDM server」、WSO2の「WSO2 Enterprise Mobility Manager」、Googleの「Android SDK」サンプル管理アプリケーションも選択肢になり得る。
ソースによってはオープン性の高いものがあることを認識しておくことは重要だ。そのため、使用する前に各ツールのバックグラウンドを必ず調査されたい。ソースのオープン性が高いほど、データが危険にさらされる可能性は高くなる。
EMMのトレンド予想
EMMの導入は好調だ。VDC Researchの推定によると、1000人以上の従業員を抱える企業の37%がEMMを導入済みだという。IT担当者は、一般に、EMMの導入数拡大はセキュリティに関する懸念の高まりに起因すると考えている。
EMMベンダーは、オンプレミススイートからクラウドベースのオプションへと移行している。クラウドであれば、EMMサービスの月額費用を抑えることができる。また、ワークスペース管理の人気も上昇している。ワークスペース管理は、EMMソフトウェアを基盤に使用して、企業ファイルの同期や共有などの追加ツールも含む。
VMwareの「Workspace ONE」と「AirWatch」の組み合わせなどのオプションによって、EMMをモバイルデバイスからデスクトップPCに拡張できる。こうした拡張によって統合エンドポイント管理が導入され、IT部門は高度な制御とセキュリティを目的に、1台のサーバにリンクされる全てのデバイスを制御できるようになる。
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