EUの「一般データ保護規則」(GDPR)の施行を前に、Appleは特筆すべき決断をした。GDPRの保護対象者だけでなく、全てのエンドユーザーに、GDPRレベルのプライバシー保護を提供するという決断だ。
欧州連合(EU)居住者の個人情報を収集する企業は、全て「一般データ保護規則」(GDPR)の対象となる。Appleはその一歩先を行き「プライバシーは基本的人権であり、GDPRの保護対象外であっても、誰もが権利を保証されなければならない」と宣言した。
Apple製品が新たに提供するプライバシー保護機能は、GDPRの保護対象となるEU居住者だけでなく、同社製品の全エンドユーザーに適用される。プライバシーに不安を抱く全ての人に希望を持たせる動きだ。この新機能は、同社が2018年3月29日に公開した最新OS「macOS High Sierra 10.13.4」「iOS 11.3」「tvOS 11.3」に盛り込まれた。
最も分かりやすい変更点として、起動時のスプラッシュ画面でAppleのプライバシーポリシーを説明する。Appleが個人情報を収集しようとする際には、そのことを通知する新たなアイコンを表示する。
Appleは2018年内に、GDPR対策をさらに進める。同社製品の共通アカウント「Apple ID」の管理ページを更新し、GDPR順守に役立つ主要プライバシー機能を簡単に利用できるようにする。これには同社が保存したエンドユーザーの個人情報のダウンロード、アカウント情報の訂正、アカウントの一次停止または完全な削除などを含む。こうしたGDPR対策機能は、GDPR施行後にまずEUで提供し、いずれは居住地を問わず全Appleユーザーが利用できるようにする。
Appleはエンドユーザーから収集した個人情報の販売ではなく、ハードウェアの販売で収益を上げている――。大型アップデートの前日である2018年3月28日、放送局MSNBCが主催したイベントで、Appleのティム・クック最高経営責任者(CEO)はこう強調した。クック氏はまた、ソーシャルネットワーキングサービス「Facebook」ユーザーの個人情報が、データ分析会社Cambridge Analyticaによって不正利用された問題にも言及し、プライバシーは基本的人権だと語った。この言葉は、前述のスプラッシュ画面にも現れる。
プライバシーに不安を感じる人は誰であれ、Appleの動きを歓迎するはずだ。だが他社にとっては、たとえGDPRを順守する必要があるとしても、Appleに追随するのは簡単ではない可能性がある。
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