「COTS」と「GOTS」を比較【中編】
政府機関が「GOTS」から「COTS」に移るべき4つの長所、無視できない2つの短所
政府機関は「COTS」ソフトウェアと「GOTS」ソフトウェアのどちらを選ぶべきか。この問いに明確な答えはないが、COTSソフトウェアを選ぶなら検討が必要な幾つかの長所と短所がある。それは何か。
政府機関が適切なソフトウェアを手に入れるには、さまざまな問題を解決しなければならない。民間企業は概して既製品である「COTS」(商用オフザシェルフ:Commercial Off-The-Shelf)ソフトウェアを購入して効果的に活用している。一方で政府機関は、政府の予算で開発し、他の機関との共有、再利用、再販も可能な「GOTS」(政府機関オフザシェルフ:Government Off-The-Shelf)ソフトウェアを開発することが少なくない。
前編「『COTS』『GOTS』の基本的な違いとは? 政府機関のIT基礎用語」で挙げたような要因によって、政府機関の間ではCOTSソフトウェアを採用すべきか、それとも引き続きGOTSソフトウェアを利用するのかという議論が高まっている。決定的な答えはないが、考慮すべき重要な長所と短所はある。それはどういうものだろうか。
COTSソフトウェアの長所と短所
COTSソフトウェアの長所の1つ目は、ソフトウェア開発会社の経験と知識が製品に反映されることだ。開発会社は製品を作るために必要な研究開発を続けている。これは通常、長年の競争で培われる。競争によって、多様なITインフラやさまざまなユーザー、多岐にわたる用途でも使える代替製品が進化する。
2つ目は、実績があり、洗練されていることだ。例えばCOTSソフトウェアは応答時間などのパフォーマンスを高める工夫を凝らしており、メニューとダイアログは直感的な分かりやすさに配慮している。COTSソフトウェアの重大な不具合はそう多くない。インストールとソフトウェアの構成に要する時間と手間も比較的少ない。ユーザーの期待がこうした要素を後押ししている。
3つ目は、ドキュメントや手順ガイド、トラブルシューティング情報、ヘルプデスク担当者などによるサポートが充実していることだ。人気のあるCOTSソフトウェアには、ソーシャルニュースサイト「Reddit」のようなユーザー主導のサポートやフォーラムもあり、ヒントやベストプラクティスを共有したり、修正や改良を提案したりできる。
4つ目は、比較的コストが低いことだ。COTSソフトウェアは、TCO(総所有コスト)をユーザー全体に分散できることが背景にある。これに対してGOTSソフトウェアでは、委託元の政府機関がTCOを負担することになる。
COTSソフトウェアには機能と使いやすさの点で難点がある。COTSソフトウェアは、幅広いユーザーが同じことを同じ方法で実行することを前提としている。そのためCOTSソフトウェアを利用するには、ユーザー側の習慣やワークフローの方を変えなければならない。
この問題は、政府機関が特定の目的を実現する上で障害になる可能性がある。COTSソフトウェアに適応するように政府機関の習慣やワークフローを変更するのは難しく、不可能なときもある。COTSソフトウェアがGOTSソフトウェアの代替になり得るのは、その機能が当該政府機関の要件を満たす場合のみだ。
後編は、政府機関がGOTSソフトウェアを選択する場合のメリットとデメリットを解説する。
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