IE延命措置への依存は禁物
「Internet Explorerが終わる日」現実へ 一部サイトをIEで開くとEdgeで強制表示
Microsoftは、一部のWebサイトを「Internet Explorer」ではなく「Microsoft Edge」で強制的に表示するようにした。専門家は、現実味を帯びてきた「IEの終わり」への準備が必要だと指摘している。
Microsoftは、エンドユーザーがWebブラウザ「Internet Explorer」(IE)を使って一部のWebサイトにアクセスした場合に、最新の「Microsoft Edge」で強制的に開くようにした。IEの終わりが近づいていることが背景にある。
迫る“IEの終わり”
この措置により、自分のコンピュータにEdgeもインストール済みのIEユーザーが、IEでは適切に表示できないWebサイトにアクセスした場合、そのWebサイトがEdgeで開くようになった。IEで適切に表示できず、この措置の影響を受けるWebサイト(Webアプリケーションを含む)には「Facebook」「YouTube」「Microsoft Teams」「Google Drive」(Googleドライブ)などが含まれる。
IT担当者がこの措置を無効にする方法もある。ただしアナリストはこの措置について「MicrosoftがIEを引退させようと決意している表れだ」と指摘する。IEでしか動作しないWebアプリケーションに依存している企業は、依存を解消する方法を考えなければならないという。「企業としてIEを使う時代は、過去のものになっている」と、調査会社Gartnerのアナリスト、フィンタン・ライアン氏は語る。
Microsoftは2020年11月に安定版をリリースしたEdgeのバージョン87から、この措置の適用を開始すると告知していた。Edgeのバージョン87への更新後、IEユーザーは対象Webサイトを最初に閲覧して今回の措置が発動したときに、1回限りの通知画面を目にするようになった。通知画面は、なぜWebブラウザが切り替えられたのかを知らせ、IEの閲覧データと設定をEdgeに取り込むよう促す内容だ。
今回の措置に関するドキュメントでMicrosoftはIT担当者向けに、コンピュータやエンドユーザーの設定を一元管理する「グループポリシー」でWebブラウザの切り替えを制御する方法を説明している。EdgeでWebサイトを開くにはEdgeが存在する必要があるため、Edgeがインストールされていないコンピュータを使っているIEユーザーには今回の措置は影響しない。ただし最近の「Windows 10」の更新では、Edgeがコンピュータに自動的にインストールされるようになっている。
Microsoftは2020年8月、サブスクリプション形式のオフィススイート「Microsoft 365」がIEで正常に動作しなくなることを明らかにした。まずMicrosoft 365に含まれるユニファイドコミュニケーション(UC)ツール「Microsoft Teams」について、IEでの動作保証を2020年11月30日に終了し、他のMicrosoft 365ツールも2021年8月17日をもって、IEでの動作保証を終了する計画だ。
2020年1月、MicrosoftはGoogleが開発を支援するオープンソースWebブラウザ「Chromium」のソースコードをベースにした、Edgeの新バージョンをリリースした。Webトラフィックの分析を手掛けるStatCounterによると、Webブラウザ市場(2019年11月~2020年11月)でEdgeのシェア(トラフィックベース)は3.01%、IEは1.13%だ。
Edgeへの「IEモード」の搭載をはじめ、MicrosoftはIEでWebアプリケーションを実行する企業の支援に取り組んでいる。IEモードは、Chromiumのレンダリングエンジンの代わりにIE 11のレンダリングエンジンを使って、EdgeでWebサイトを開く仕組みだ。
MicrosoftはWindows 10のライフサイクルを通じて、IE 11のセキュリティ更新プログラムの提供を続けることにしている。「Microsoftは長年にわたってIEの延命措置を講じてきた。そのおかげで多くの企業がWebアプリケーションをアップグレードせずに済んできた」とライアン氏は指摘する。
Gartnerの顧客の大部分は、WebアプリケーションでIE 11とChromeを使用していると、ライアン氏はレポートで述べている。同氏は企業に対して、Webアプリケーションの継続的な可用性を確保するために「IEから脱却すること」「Chromeと少なくとも他の1つのWebブラウザでWebアプリケーションを稼働できるようにすること」を勧める。
「企業は、いずれはWebアプリケーションを使い続けるために新しいWebブラウザに移行せざるを得ないだろう」とライアン氏は語る。動作するためにIEが必要なほどWebアプリケーションが古ければ、セキュリティリスクをもたらす可能性も十分あるという。
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