「ハイパーコンバージドインフラ」の未来予測【後編】

「クラウドベンダーのHCI」が注目されない理由と、HCIベンダーが目指す未来

クラウドベンダーも市場に参入するなど「ハイパーコンバージドインフラ」(HCI)は企業のデータセンターの今後を左右する存在になっている。HCIの重要性が今後さらに高まるのはなぜか。注目すべき動向を紹介する。

 Amazon Web Services(AWS)やMicrosoftなど、クラウドサービスを提供するベンダーも「ハイパーコンバージドインフラ」(HCI)の分野に参入している。こうしたベンダーは、HCI市場で確固たる地位を確立しているHCIベンダーに挑むことになる。

 主要なクラウドベンダーは「AWS Outposts」「Azure Stack HCI」などオンプレミスデータセンターに設置するHCIと同様のアプライアンスを提供しており、これらの製品は各ベンダーのクラウドサービスと連携する。「クラウドベンダーはさまざまな分野に割って入ることを望んでいる。HCIベンダーの既存シェアの一部を脅かすことになるだろう」。市場調査やコンサルティングを手掛けるEvaluator GroupでHCI分野のアナリストを務めるエリック・スラック氏はこう指摘する。

 クラウドサービスはリソースを使用した分だけ料金が発生し、場合によっては高額になることもある。AWS OutpostsやAzure Stack HCIも、ユーザー企業はクラウドサービスと同様に従量課金でこれらを利用する。一般的なオンプレミスデータセンター向けHCIとは異なる点だ。スラック氏は「AWS OutpostsやAzure Stack HCIはクラウドサービスに重心を移している企業にとっては魅力的な製品として映るだろう」と語り、さらに「そのような企業でもオンプレミスデータセンターにおけるアプリケーション運用の課題は残っている」と指摘する。

クラウドベンダーとHCIベンダーの思惑

 HCIベンダーに対してクラウドベンダーが優位に立てる範囲は限定的だ。システムインテグレーターのAHEADでソフトウェア定義データセンター(SDDC)のプリセールススペシャリストを務めるケン・ナルボーン氏は、「最新のアプリケーションを稼働する場所に関係なく運用したい企業にとって、AWS OutpostsとAzure Stack HCIは魅力的な製品になる。だが、従来型アプリケーションを運用するための最新型のインフラを望む企業が、これらの製品に引きつけられることはまれだろう」。クラウドサービスのようなインフラを使いたいのであれば、「HCIはリソースの拡張性があり運用管理が簡単なインフラ製品だ」と同氏は強調する。

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