「脱クラウド」検討のポイント【中編】
「脱クラウド」しやすい企業、クラウドにとどまらざるを得ない企業の違い
「脱クラウド」が比較的容易なワークロードと、難しいワークロードがある。その違いとは何か。脱クラウドしやすいワークロードを構築することはなぜ必要なのか。
ワークロード(アプリケーション)のクラウドサービスへの移行後に、そのワークロードをオンプレミスのインフラに戻す「脱クラウド」を検討する企業がある。ただし脱クラウドは必ずしも簡単ではない。本稿は、脱クラウドに備えるポイントを説明する。
脱クラウドが難しくなる条件
併せて読みたいお薦め記事
連載:「脱クラウド」検討のポイント
パブリッククラウドの導入前に「脱クラウド」計画を立てる
「脱クラウド」の動きは国内でも
クラウドベンダーとユーザー企業が同じ製品群を利用してインフラを構築していれば、オンプレミスのインフラへのワークロード回帰は比較的容易になる。ネットワーク運用管理の自動化を手掛ける6connectの最高執行責任者(COO)で共同創設者のピート・スクラファニ氏は、VMware製品をAmazon Web Services(AWS)のインフラで稼働させることができる「VMware Cloud on AWS」を利用しながら、オンプレミスのインフラでVMware製品を運用する企業を例に挙げる。このように同一の製品を使っている場合、クラウドサービスからオンプレミスのインフラにワークロードを移行させるのは比較的簡単だ。
それに対して、クラウドベンダーが利用する独自サービスに完全に移行した企業では、脱クラウドがはるかに大きな課題となる。オンプレミスのインフラにワークロードを戻して良い結果を得るのが不可能だと分かる場合もある。
「Kubernetes」や「Docker」といったコンテナ技術は脱クラウドを容易にする可能性がある。コンテナは仮想マシン(VM)と比べ、ワークロードとインフラの依存関係が小さい。そのためクラウドサービスとオンプレミスのインフラの両方でコンテナを利用しているユーザー企業は、脱クラウドの検討の余地がある。
脱クラウドをIT戦略に盛り込むべき理由
クラウドサービスで稼働するワークロードが適切に設計されているなら、そうしたワークロードをオンプレミスのインフラに戻す必要はない。ただしその必要性が生じた場合に備えて、脱クラウドを実行する方法を把握しておく必要がある。
脱クラウドは、必ずしもユーザー企業の過失やミスによって必要になるわけではない。「クラウドサービスが変化を続ける中で、それに伴う予想外の影響を考慮するためにある」とスクラファニ氏は述べる。例えばクラウドベンダーが、クラウドサービスの利用料金を値上げすることがある。その場合、ワークロードの設計によってはコストが予算を大きく超えて急上昇する可能性がある。「コスト最適化の点でも、クラウドサービスとオンプレミスのインフラの間で移行しやすいようにワークロードを設計する利点は大きい」(同氏)
クラウドベンダーが自社の利益を追求する組織であることも忘れてはならない。ユーザー企業は、利用するクラウドサービスを再検討しやすい状態にしておく必要がある。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
「Microsoft 365のセキュリティ運用」に関するアンケート
-
3
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
4
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
5
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
6
「Salesforceのテスト自動化ツール」に関するアンケート
-
7
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
8
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
9
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
10
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー