インフラの利用動向やサントリーのAWS移行、UQコミュニケーションズの「Oracle Cloud Infrastructure」導入事例など、クラウドに関する国内の主要なニュースを6つ取り上げる。
クラウドサービスからオンプレミスのインフラにシステムを移行させる「脱クラウド」「オンプレミス回帰」を進める企業がある一方で、クラウドサービスの大規模な利用に踏み切る企業もある。それぞれの決断の理由とは。クラウドサービスをはじめとするインフラの利用動向調査から、クラウドサービスの導入事例まで、クラウドに関する最近のニュースを6本取り上げる。
国内組織の8割以上が「脱クラウド」「オンプレミス回帰」に前向き IDCが調査
サントリーがグループのシステムインフラをAWSに統一 国内全システムが移行済み
北國銀行が「Microsoft Azure」「Microsoft 365」を採用 勘定系もクラウド化へ
UQコミュニケーションズがオンプレミスの業務システムを「Oracle Cloud」に全面移行へ
IBM、インフラマネージドサービス事業の分社化でハイブリッドクラウド事業に注力
OpenShiftの新サービスでサポート窓口を一本化、NTTコミュニケーションズとNTTコムウェア
IDC Japanが実施した調査によると、国内組織の間でクラウドサービスからオンプレミスインフラに回帰する傾向が見られた。複数のユーザー企業でインフラを共有する「パブリッククラウド」から、特定のユーザー企業がインフラを専有する「プライベートクラウド」を含むオンプレミスインフラに移行した、または2年以内に移行するとの回答はそれぞれ85%を超えた。理由として「セキュリティの向上」「データやアプリケーションの連携」「管理の一元化」「パフォーマンスやサービスレベルの向上」が上位となった。調査は2020年7月に実施し、インフラ導入の意思決定や導入プロセスに関わる担当者505人から有効回答を得た。(発表:IDC Japan<2020年10月21日>)
グループ企業が個別に開発・運用していた業務システムを、クラウドサービス群「Amazon Web Services」(AWS)に集約する。全世界でAWSへのシステム移行を段階的に進めており、既に国内で利用する受発注や売り上げ予測、Webサイト運用、顧客データ管理などに利用する全てのシステムのAWSへの移行を完了させた。移行に伴い2020年8月にシンガポールと国内にあったオンプレミスのデータセンターを閉鎖したことで、インフラの運営コストを25%削減できたという。今後は世界中の各グループ企業のデータを集約して分析するために、オブジェクトストレージサービスの「Amazon Simple Storage Services」(Amazon S3)でデータレイクを構築する。(発表:アマゾンウェブサービスジャパン<2020年10月27日>)
クラウドサービス群のAzureとサブスクリプション形式のオフィススイートであるMicrosoft 365を使い、メールやワークフローなどの業務システムをクラウドサービスに移行させた。行外からアクセス可能な業務システムを増やすことで、テレワーク中の従業員の利便性向上を図る。セキュリティ対策にはあらゆるエンドユーザー、デバイス、ネットワークを信頼せずに常時検証するセキュリティ概念「ゼロトラスト」を採用し、金融機関に求められる水準のセキュリティを確保するという。システムの構築はNECが支援した。動向は今回の移行を皮切りに、勘定系システムを含めた全システムのクラウドサービス移行を進める。(発表:北國銀行、NEC<2020年10月22日>)
WiMAXサービス「UQ WiMAX」用基地局の建設と運用、撤去を一元管理する「Linux」ベースの業務システムを、オンプレミスのインフラからクラウドサービス群「Oracle Cloud Infrastructure」に移行させる。2020年末に移行を開始する。ハードウェアの保守や障害対応などの負荷を軽減し、運用コストを削減することが目的だ。データセンターが自社のセキュリティ要件を満たしていたことを評価し、Oracle Cloud Infrastructureを選定した。データベース管理の自動化機能を持つ「Oracle Autonomous Database」の利用も検討する。(発表:日本オラクル<2020年10月2日>)
グローバル・テクノロジー・サービス事業のマネージド・インフラストラクチャー・サービス部門を2021年末までに分社化する。同部門は、インフラの構築から運用まで一括して請け負うマネージドサービスを手掛けてきた。分社後、IBM本社はコンテナオーケストレーションツール「Red Hat OpenShift」を中核としたハイブリッドクラウド関連事業とAI(人工知能)システム関連事業を強化する。新会社は引き続きマネージドサービスを提供し、クラウドベンダー各社との協業も進める計画だ。(発表:IBM<2020年10月9日>)
NTTコミュニケーションズはクラウドサービス群「Enterprise Cloud」のメニューとして、Red Hat OpenShiftベースのNTTコムウェアのクラウドサービス「SmartCloud Duo」を提供する。SmartCloud Duoのサポートも、Enterprise Cloudのサポート窓口に一本化できる。SmartCloud Duoは、Webポータルを通じてコンテナの実行に必要なサーバやネットワークを即座に用意できることが特徴だ。(発表:NTTコミュニケーションズ、NTTコムウェア<2020年10月5日>)
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契約業務の効率化やコストの削減といった効果が期待できることから、多くの企業で「電子署名」の導入が進んでいる。一方で、訴訟問題へと発展した際に証拠として使えるのかといった疑問を抱き、導入を踏みとどまるケースもあるようだ。
半導体ベンダーBroadcomは仮想化ベンダーVMwareを買収してから、VMware製品の永久ライセンスを廃止した。その永久ライセンスを継続する非公認の方法とは。
クラウドファーストの流れが加速する中、無計画に構築されたハイブリッドクラウドの弊害が多くの企業を悩ませている。ITオペレーションの最適化を図るためには、次世代のハイブリッドクラウドへのモダン化を進めることが有効だ。
ワークロードを最適な環境に配置できる手法として注目され、多くの企業が採用しているハイブリッドクラウド。しかし、パフォーマンス、法令順守、コストなどが課題となり、ハイブリッドクラウド環境の最適化を難しくしている。
システム基盤をオンプレミスで運用するか、データセンターやクラウドで運用するかは、業種によって大きく異なる。調査結果を基に、活用の実態を探るとともに、最適なクラウドサービスを考察する。
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米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。
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