「Microsoft Teams」との競争力を高めるGoogle
「Google Workspace」は「G Suite」からどう進化したのか
Googleはオフィススイートの「G Suite」を「Google Workspace」として刷新した。Google WorkspaceはG Suiteと何が違うのか。
Googleはオフィススイート「G Suite」の名称を「Google Workspace」に変更し、一部機能を刷新した。Google Workspaceは、プロジェクトチームのメンバー同士がプレゼンテーション用のスライドなどのドキュメントを作成しながら、リアルタイムでコラボレーションできる設計になっている。
エンドユーザーはGoogle Workspaceを利用することで、ドキュメントを作成したり、カレンダーを操作したりしながら、同じ画面でチャットやWeb会議によるコラボレーションができるようになる。Googleは段階的にGoogle Workspaceの機能を提供する。Google Workspace担当ゼネラルマネジャーのハビエル・ソルテロ氏はブログの中で「あらゆることをこなすために必要な全てが1カ所にそろう」と説明する。
Google WorkspaceとG Suiteの気になる違い
併せて読みたいお薦め記事
オフィススイートの最新動向
- 「UCaaS」とは? ユニファイドコミュニケーション(UC)の5大動向
- Meet会議専用ハード「Series One」とは? GoogleとLenovoが共同開発
- 脱Officeは可能? 無料版もあるZohoのオフィススイートが機能強化
Microsoft 365とG Suite
エンドユーザーはGoogle Workspaceのビジネスチャットツール「Google Chat」の画面から、ワープロツールの「Google Docs」(Googleドキュメント)や表計算ツールの「Google Slides」Googleスライド)、プレゼンツールの「Google Spreadsheets」(Googleスプレッドシート)といった各種ツールを直接開いて利用できる。編集中のドキュメントから離れることなくWeb会議ツールの「Google Meet」で動画を再生することも可能だ。Googleはこの機能を「ピクチャー・イン・ピクチャー」と呼ぶ。
Google Workspaceは、ドキュメントへのコメント付与だけでなく、「@」の記号を使って他のエンドユーザーをタグ付けすることも可能にしている。「@」の上にマウスを置くと、エンドユーザーの連絡先情報やドキュメント共有といった提案を表示する「スマートチップ」という機能も備える。メールクライアント「Gmail」はユーザーインタフェースを刷新して、ビジネスチャットやWeb会議などの機能が加わった。
調査会社Nemertes Researchのアナリストであるアーウィン・ラザール氏は、Google WorkspaceはG Suiteと比べて、ツール間の連携がしやすくなっていると評価する。「作業途中にアプリケーションを切り替えるアクションが少なくなった」(ラザール氏)
Googleの狙いは
ラザール氏によると、Googleの今回の取り組みの狙いは、Microsoftのサブスクリプション形式のオフィススイート「Microsoft 365」との競争力を高めて、有料版を使う顧客を増やすことにある。Googleによると、G Suiteの月間ユーザーは約26億人で、導入企業数は約600万社だ。
新興企業や教育機関は、料金の低さやWebブラウザで利用できることからG Suiteを選ぶことが少なくなかった。一方で大企業はMicrosoft 365を好む傾向にある。GoogleはGoogle Workspaceによって競争力を高めようとしているが、ITコンサルティング会社TECHnalysis Researchのアナリストを務めるボブ・オドネル氏は「道のりは長い」と話す。
Google Workspaceには、コミュニケーションツールを重視するGoogleの姿勢が表れている。これまで同社はGmailに重点を置いていた。「競合サービスがビジネスチャットを中心とするコラボレーションへと動く中で、Googleはメールに注力し過ぎた」(ラザール氏)
ビジネスチャットはメールよりも簡単なコミュニケーションを実現する。ラザール氏の調査によると、ビジネスチャットツールを中心としたコミュニケーションツールは、企業の生産性や売り上げ、顧客サービスを改善する。
新たな料金プランが登場 容量無制限のストレージは廃止
Google Workspaceの提供開始と同時期に、Googleは新たな料金プラン「Business Plus」を追加した。Business Plusは1ユーザー当たり月間18ドルで、Web会議は同時に250人まで参加者できる。1ユーザー当たり5TB(テラバイト)のオンラインストレージも付属する。従来の上位プランで提供していた容量無制限のオンラインストレージは廃止する。
Workspaceへの切り替えの一環として、GoogleはGmailとファイル同期ツール「Google Drive」やGoogle Meet、カレンダーツール「Google Calendar」(Googleカレンダー)のロゴをGoogleロゴの配色を取り入れたデザインに変更する。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[株式会社ラクス] どうすれば「変革を楽しむ組織」になれるのか? 事例に学ぶ、未来への一歩 -
製品レビュー
[デル・テクノロジーズ株式会社] 変化するサイバー脅威に備える、これからのストレージの選び方 -
事例
[サイボウズ株式会社] 受注約1.5倍と年間2万3000時間超の業務時間を削減、日機装に学ぶDX実践術 -
製品レビュー
[サイボウズ株式会社] 人材不足にどう挑む? ものづくり太郎が語る、製造現場でのAI活用成功の鍵 -
市場調査・トレンド
[グーグル・クラウド・ジャパン合同会社] 金融機関はAIエージェント導入でどう変わる? 7つの変化から19の事例まで解説
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
RAGで「データをAIに送る」運用が限界を迎えている理由
-
2
Microsoft 365侵害企業の9割はMFA導入済み 1002人調査で見えた盲点
-
3
「Copilot」がIT予算を食いつぶす? 高額請求を招く課金体系と節約術
-
4
PHPはそもそも必要か? 脆弱性で問われる自社サイト安全性と保守負担のバランス
-
5
通話録音の個人情報を自動で無音化 専用端末を無償貸与
-
6
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
7
なぜストレージ不足は長引くのか? 77%が「12〜18カ月続く」と予測
-
8
ハイパーコンバージドインフラ徹底比較、「SimpliVity」「Nutanix」はどう違う?
-
9
Googleの業務向けAIエージェント「Gemini Agent」が登場 しかし課題は山積み
-
10
【基本情報技術者試験】データ消失リスクを防ぐ3つの「バックアップ手法」を比較
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
2
本当に使える「会議翻訳ツール」を見極める4つの選定基準
-
3
有識者が語る、中堅中小企業に求められる最新のサイバーセキュリティ対策とは
-
4
10G回線の真価をフルに享受するには? 導入前にチェックしたいポイント
-
5
パスワードレスへの移行で失敗しないためには? 導入・運用上の注意点を解説
-
6
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
7
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
-
8
自社のセキュリティ対策は大丈夫? 自己診断リストで対策の優先順位が分かる
-
9
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
10
「テスト内製化&自動化」事例集:ディー・エヌ・エーなど9社に学ぶ実践のコツ
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー