「グラフデータベース」「リレーショナルデータベース」を比較【後編】
「グラフデータベース」と「リレーショナルデータベース」の決定的な違いとは?
「グラフデータベース」と「リレーショナルデータベース」は、それぞれ扱うのに向いているデータや適切な用途が異なる。両者の主な違いや活用例、選び方のヒントを紹介する。
前編「いまさら聞けない『グラフデータベース』『リレーショナルデータベース』の基礎」は、レコード(データベースで扱う1件分のデータ群)同士の関係性をグラフ形式で表すデータベース「グラフデータベース」と、2次元の表(テーブル)形式でレコードを格納するデータベース「リレーショナルデータベース」の特徴を紹介した。後編となる本稿は両者の主要な違いを解説する。
グラフデータベースとリレーショナルデータベースの決定的な違い
最も重要な違いは、レコード間の関係を保持するかどうかだ。リレーショナルデータベースは文字通り関係を重視するが、個別のレコードではなく表の列同士の関係に主眼を置く。
どちらのデータベースもデータの追加は簡単だ。グラフデータベースには新しい「ノード」や「エッジ」を、リレーショナルデータベースには新しい表や列を追加する仕組みがある。ノードはレコードおよびその基になる「エンティティ」(人や物などの実体)を表し、エッジが2つのノード間のつながりを表す。
複雑なクエリの実行は通常、リレーショナルデータベースよりもグラフデータベースの方が速い。リレーショナルデータベースで複雑なクエリを実行する場合、表から表をまたぐ情報の参照が複雑になりやすいからだ。
どちらのデータベースを使えばよいのか
グラフデータベースとリレーショナルデータベースのどちらにもメリットはある。どちらを選ぶべきなのかはデータベースの使い方に左右される。
IBMは、リレーショナルデータベースを「あらゆる企業に普及しているクエリツール」と表現する。表形式で表現できる程度の、関係が複雑ではないデータを扱うのにリレーショナルデータベースは適している。主な活用例は会計や取引データの管理だ。そうしたデータはシンプルで、リレーショナルデータベースで扱いやすい。
グラフデータベースはより複雑なデータの管理や分析に役立つ。レコード同士の関係に重きを置くため、データ分析者が予期しなかったデータ同士のつながりの発見に役立つ可能性がある。ソーシャルメディアでのエンドユーザーの関係分析、不正検出、レコメンデーションエンジンなどが主な活用例だ。データ同士の関係を目に見える形にするのにもグラフデータベースは適している。
両方のデータベースを併用することも選択肢になる。レコード同士の関係を構造化することがメリットとなるか、デメリットとなるかは、データベースを利用するアプリケーションによって異なる。そのためグラフデータベースとリレーショナルデータベースのどちらを選ぶかは、データベースを利用するアプリケーションにおいてどのような課題を解決したいのかという問題に帰結する。
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