5Gに必要なセキュリティ【中編】
5Gの保護に有効な「ネットワークスライシング」「ゼロトラスト」とは?
5Gにはどのような脅威があり、どのようなセキュリティ対策が有効なのか。5Gを安全に使う上で重要な手段となり得る「ネットワークスライシング」「ゼロトラストセキュリティ」を解説する。
「5G」(第5世代移動通信システム)のプライベートネットワークをパブリックネットワークと通信可能にする場合、その境界でセキュリティを保護する必要性が生じる。例えばエンドユーザーが1つのクライアントデバイスで5Gのプライベートネットワークとパブリックネットワークを利用可能にすることを考える。このとき双方のネットワークで攻撃を受ける可能性が生じるため、いっそうの防御と対策が必要になる。
どう守るべきか
5Gの機能として、エンドユーザーのクライアントデバイスと5G基地局が通信する際のデータ整合性保護(改ざんされないことの保証)機能がある。デバイスメーカーや無線アクセスネットワーク(RAN)ベンダーにとってこの保護機能は重要だ。
IoT(モノのインターネット)デバイスのデータを5Gでやりとりする動きも広がると考えられる。ただしIoTデバイスのセキュリティ対策の水準は一様ではなく、まだ決定していないIoT関連の規制もある。このような状況が、データのセキュリティリスクに関する問題を深刻にする。
国際会計事務所・コンサルティング企業Deloitteが2020年に実施した調査によると、12カ月以内に5Gを導入する計画を持つ調査対象企業のうち「データセキュリティが課題」と答えたのは26.8%で、これは最も多い割合だった。調査時点で既に5Gを使用している企業についても、データセキュリティを課題と答えたのは20.2%で、上位3つに入る割合だった。
「ネットワークスライシング」は5Gにおけるデータ伝送時のリスク軽減策だ。ネットワークを小規模な論理ネットワーク(スライス)に分割して、用途ごとに運用できるようにする。マルウェアが侵入しても、特定のスライスに封じ込めて活動範囲を制限すれば、情報漏えいなどの実害を防ぎやすくなる。5GのITインフラは、このようなデータの分離と管理ができるように設計するとよい。
「ゼロトラストセキュリティ」の適用も有効だ。ゼロトラストセキュリティは、エンドユーザーがどのネットワークからアクセスしているかにかかわらず、必要時に認証を実施することで安全を確保するセキュリティ概念。ゼロトラストセキュリティに基づくセキュリティ対策により、企業は5G利用時の攻撃のリスクと影響を低減し、高い障害回復力を実現できる。コンテキスト(エンドユーザーの行動の流れ)に応じてアクセス管理をすれば、対象を絞り込むことが可能だ。
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