「ローバンド5G」「ミッドバンド5G」「ハイバンド5G」の違いは 3種の5Gを比較「5G」のタイプと注目機能【前編】

「5G」は3つのタイプに分類できる。それぞれどのようなメリットとデメリットがあるのだろうか。

2020年04月24日 05時00分 公開
[Michaela GossTechTarget]

 「5G」(第5世代移動体通信システム)には幾つかのタイプが存在することを知っているだろうか。タイプによって実現できる先進機能が異なるため、その違いを知っておくことが重要だ。

 5Gは使用する周波数帯別に

  • 低周波数帯の「ローバンド5G」
  • 中周波数帯の「ミッドバンド5G」
  • 高周波数帯の「ハイバンド5G」

の3タイプに分かれる。ネットワークベンダーであるCradlepointのリンジー・ナットウェル氏によると、それぞれの周波数帯の特性が各タイプの特徴の違いとして現われる。注目すべきは、企業のネットワークで応用可能な先進的な機能を各タイプが備えていることだ。

 5Gの各タイプはアイスクリームの3つの味に例えると理解しやすい。ローバンドはバニラ味、ミッドバンドはチョレート味、ハイバンドはストロベリー味だ。それぞれの特徴を見ていこう。

目次

ローバンド5G

 ローバンド5Gは、移動体通信システムの周波数帯としては「4G」(第4世代移動体通信システム)や「LTE」(Long Term Evolution)、テレビ局・ラジオ局が使用する周波数に近い。米連邦通信委員会(FCC)は600〜900MHzの周波数帯を利用する5Gをローバンド5Gとして分類している。昔から広く利用されていて、基本的で、なじみがあるという点でバニラアイスクリームと似ている。

変更履歴(2020年6月5日11時20分)

記事掲載当初、ローバンド5Gが利用する周波数帯を「600〜900GHz」と記載していましたが、正しくは「600〜900MHz」です。おわびして訂正します。本文は修正済みです。

 昔から利用されている周波数帯だからといってローバンド5Gがこれまでの移動体通信システムと同じと言っているわけではない。ノットウェル氏によると、ローバンド5Gは4Gと比べて速度が速くなり、さらに電波の到達距離が長くなる可能性があるという。テレビが利用する周波数帯の一つとしてローバンド5Gに近い周波数帯があるのは、電波の到達範囲が広いからだ。

 ローバンド5Gは電波の到達距離が長い半面、他のタイプの5Gほどデータ伝送速度が高速にはならない。高い周波数帯よりも帯域幅は狭くなり一度に伝送できるデータ量は少なくなるが、だからこそ遠くまでデータを届かせられる特徴がある。ノットウェル氏は「長所があれば短所もある。ローバンド5Gは帯域幅が狭い半面、到達距離と障害物を回避する性能に優れている」と語る。

ミッドバンド5G

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