「VDI」6つのメリットと5つの注意点【後編】
「VDI」導入の失敗企業が見落とす5つの注意点
企業にさまざまなメリットをもたらす「VDI」。ただし事前の検討や準備が不十分だと、導入効果を引き出し切れない可能性がある。VDIを導入する前に検討しておきたい注意点を解説する。
「VDI」(仮想デスクトップインフラ)を採用することで、企業はクライアントデバイスの配備や管理を容易にできる可能性がある。ただし適切な用途や目的を理解せずに仮想デスクトップを導入すると、かえってコストや管理の複雑さが増すことがある。VDIを導入するとき、企業は次に挙げる5つの点に注意する必要がある。
VDIの注意点1.VDIが適しているかどうかの確認
最もVDIが適しているのは、同じクライアントOSとアプリケーションを大量に導入する場合だ。例えば数十人の従業員が同じクライアントOSとアプリケーションを使用するコールセンターは、VDIが適している可能性がある。クライアントOSもアプリケーションもサーバで一元管理できるため、クライアントデバイスのメンテナンス作業が大幅に少なくなる。
自社だけでなく取引先や臨時雇用の従業員が一時的に同じアプリケーションを利用したい場合もVDIが役に立つ。従業員が所有するノートPCやタブレットに、共通したユーザーエクスペリエンス(UX:ユーザー経験価値)を提供できるからだ。
VDIの注意点2.オンプレミスVDIかDaaSかの選択
VDIの導入を検討する企業は、VDIのシステムをオンプレミスのデータセンターに構築するか、クラウドサービスとして利用する「DaaS」(Desktop as a Service)を選択するかを決めなければならない。
オンプレミスのVDIが適しているのは、仮想デスクトップのゲストOSやアプリケーション、設定をまとめた「イメージファイル」を細かく制御したい企業だ。ただし導入にはハードウェアやソフトウェアへの投資と専門知識が必要になる。DaaSの場合、企業はイメージファイルを直接制御できないことがあるものの、比較的安価に仮想デスクトップを利用できる。イメージファイルの管理作業も単純だ。
VDIの注意点3.サーバやネットワークの障害による業務への影響
企業にとって重要なのが、従業員の生産性向上だ。従来型のクライアントデバイスであるファットクライアントを利用する場合、ファットクライアントに障害が発生したときに影響を受けるのは、それを使う従業員だけだ。
VDIの導入は事業継続性に大きく影響する。多数の従業員が仮想デスクトップを同時に利用する際、それらの仮想デスクトップが同じサーバで稼働している可能性が高いためだ。仮想デスクトップのサーバに障害が起きると、そのサーバで稼働する仮想デスクトップを利用する全ての従業員が影響を受ける。
仮想デスクトップのサーバとクライアントデバイスは、LANやインターネットなどのネットワークインフラを使って接続する。そのためネットワーク接続の混雑や中断も、従業員の生産性を低下させる恐れがある。
VDIの注意点4.イメージファイルの乱立による管理負荷の増加
VDIのユーザー企業は、特定の従業員に合わせた複数のイメージファイルを作成できる。IT部門は、これらの全てのイメージファイルを管理しなければならない。異なるイメージファイルを作成すればするほど、より多くの更新プログラムの適用や管理が必要になることが一般的だ。これにより仮想デスクトップを導入することで削減しようとしているIT担当者の時間をかえって使い尽くしてしまう恐れがある。
VDIの注意点5.契約内容を超えた製品利用
企業はOSやアプリケーションを使用するときに、ベンダーと取り決めた契約内容を守る必要がある。OSやアプリケーションをイメージファイルに配置して、それを基にした仮想デスクトップを多数の従業員に配信すると、契約内容を超えてOSやアプリケーションを使ってしまう恐れがある。これは法的トラブルを起こす恐れのある問題だ。VDIを使用する場合は、そのOSとソフトウェアを利用する全ての従業員分のライセンスを用意しなければならない。
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