VDIの導入後、仮想デスクトップの画面が荒くなったり、入力に対する反応が遅れたりすることがある。こうしたVDIのパフォーマンス問題はなぜ起きるのか。
「VDI」(仮想デスクトップインフラ)のエンドユーザーと管理者にとって大きな問題は、仮想デスクトップの画面転送速度や遅延といったパフォーマンスの低下だ。この問題の解決には多大なコストがかかることがある。前編「『VDI』の知るべき真実 『管理が楽で高セキュリティ』の“例外”」に続く本稿は、VDIのパフォーマンス低下をもたらす原因を説明する。
パフォーマンス問題の主な原因として、VDIのストレージの不備が挙げられる。IT部門はVDIのコスト節約を実現するために、必要最小限の容量のストレージで済ませようとすることがある。これは仮想デスクトップの入出力に遅延を引き起こしたり、アクセスが集中した時にトラブルが生じたりする原因となる可能性がある。VDIのストレージは、業務開始時刻に集中するエンドユーザーの起動処理やマルウェアスキャン、ソフトウェア更新、システムバックアップを問題なく実施できるように選ぶ必要がある。
もう一つの原因が、VDIのネットワークの不備だ。
VDIは、ネットワークを圧迫することがある。業務で利用する全てのデータが、データセンターとクライアント端末の間を行き来するからだ。VDIの導入前からあったネットワークをVDIでそのまま使用している場合、それがパフォーマンス低下の原因となることもある。
IT担当者は、従来のネットワークを増強できる。だがそのネットワークが、VDIを考慮せずに構築されたことに変わりはない。
ネットワークに遅延があると、仮想デスクトップで稼働するマルチメディアアプリケーションはほとんど使い物にならなくなる。データ量の大きいファイルを扱う場合は、この問題が顕著になる。
こうした問題を解決するために、VDIベンダーは幾つかの対策を採用している。その一つが、動画ファイルをクライアント端末で閲覧する際、画面転送を利用しないことだ。これはクライアント端末で直接、動画ファイルを再生することを意味する。そのためVDIのメリットが損なわれてしまう。
後編は、VDIのコスト要素を取り上げる。
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
さまざまなメリットをもたらす仮想化環境だが、2023年にVMwareが買収されたことで、ユーザー企業は難しい判断を強いられている。そこで、コストメリットも大きい、仮想化環境のモダナイゼーションの方法について解説する。
データ分析・利活用のニーズが高まる中、アクションのベースとなるデータも膨大な容量となり、今後も増え続けていく見通しだ。そうなると、各企業はデータ利活用基盤として、信頼性や拡張性の高いストレージを求めるようになるだろう。
OSの移行には「データ移行」が付き物だが、その業務負荷の高さに悩まされているIT管理者は多いだろう。Windows 11への移行を進める前に知っておきたい、「データレスPC」の有効性や、導入で得られる“プラスα”のメリットを解説する。
技術や市場の変化が激しい自動車業界にあって、長年、数多くの自動車メーカーに部品を供給してきた東海理化。同社は変化に柔軟に対応するためのDX推進に当たって、これまで運用してきたレガシー仮想環境からの移行を断行する。
ハイブリッド/マルチクラウドへ移行する企業のIT環境だが、クラウド同士の連携は複雑な上に、運用も非効率になりがちだ。そこで、この問題を解消するためのハイブリッド/マルチクラウドプラットフォームを紹介する。
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...
Cookieを超える「マルチリターゲティング」 広告効果に及ぼす影響は?
Cookieレスの課題解決の鍵となる「マルチリターゲティング」を題材に、AI技術によるROI向...