Amazonと反トラスト法【前編】
「GAFA」はなぜ訴えられているのか? 「反トラスト法」違反訴訟が活発化
Amazon.comが反トラスト法違反で提訴された。最近になって、同社を含む「GAFA」と呼ばれる大手IT企業4社が相次いで訴訟に直面している。何が起きているのか。
Amazon.comが米国反トラスト法(独占禁止法)違反の疑いで提訴された。オンライン小売市場における支配的地位を利用し、販売価格を操作したとみられている。
米国ワシントンD.C.のカール・ラシーン司法長官は2021年5月、Amazon.comへの反トラスト法違反訴訟を提起した。訴状によるとAmazon.comは販売事業者に対して、Amazon.com以外のECサイト(販売事業者の独自Webサイトを含む)における販売価格をAmazon.comにおける販売価格よりも安く設定することを契約で阻止した。
「GAFA」全てが訴訟に直面
Amazon.comに対する今回の訴訟は、Google、Apple、Facebook、 Amazon.comの大手4社(GAFA)をはじめとする巨大IT企業を相手取った、一連の反トラスト法違反訴訟の最新例だ。例えば米司法省(DOJ)は2020年10月にGoogleを提訴。米連邦取引委員会(FTC)は2020年12月に米46州、ワシントンD.C.、グアムの司法長官と共にFacebookを訴えた。
2021年4月末には欧州連合(EU)がAppleに対し、同社のアプリケーションストア「App Store」の慣行が市場競争をゆがめたとの予備的見解を示す異議申立書を送った。同社は米国でもApp Storeに関する訴訟を起こされ、裁判の審理が進んでいる。
巨大IT企業に対する反トラスト法違反訴訟が活発化する中、規制当局は依然として適切な方針を探っている。データの収集と利用からライバル企業の買収まで、さまざまな分野に監視の目を向けており、新たに小売市場の操作をやり玉に挙げた形だ。
調査会社Constellation Researchの創業者でプリンシパルアナリストのレイ・ワン氏は、「規制当局はAmazon.comをはじめとする巨大IT企業の監視を継続する考えだ」と指摘する。ただし今回のAmazon.comに対する反トラスト法違反訴訟では、販売事業者の主張が通らない可能性があるとワン氏はみる。
販売事業者側の弁護団は、Amazon.comで販売している商品と同じ物が、Amazon.comとの契約によって他のECサイトでは価格がつり上げられていたことを証明しなければならない。「それは難しそうだ」とワン氏は語る。販売事業者がAmazon.comにおける販売価格に合わせて、他のECサイトでも商品価格を抑えている可能性があるからだ。
後編は、Amazon.comに対する反トラスト法違反訴訟の詳細を説明する。
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