BYODの導入と継続のためのヒント【前編】
「BYOD=コスト削減手段」だと考えてはいけない“納得の理由”
「BYOD」をこれから始める企業や十分に準備をしないまま始めてしまった企業は、BYODのメリットを十分に引き出せない可能性がある。BYOD解禁を検討する際の考慮点を説明する。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大は、企業の「BYOD」(Bring Your Own Device:私物端末の業務利用)を進めた。テレワーク体制を急いで整える中で、社外で利用できる端末の調達が間に合わず、余儀なくBYODを開始した企業もある。
そのような中で、企業は今後のBYODの方針と、BYODによって生じた課題の解決方法を検討する必要性に直面している。会社のデータにリモートアクセスするためのセキュリティ対策ツールの導入や端末の種類の把握、BYODのルール策定などが必要だ。
企業がBYODを実施するに当たって考慮すべき点を説明する。
考慮点1.削れるコスト、増えるコストを見極める
BYODのための端末は従業員が購入するため、企業は社用端末の購入にかかる予算を削減できる。ただし端末や端末内のデータを管理する責任の所在を明確にする必要がある。
データ通信の料金についても考慮する必要がある。私物端末で会社のリソースにアクセスする必要が生じることで、従業員は会社がデータ通信料金の全額または一部を支給することを期待するようになる。
考慮点2.従業員満足度とセキュリティを両立させる
一般的に従業員にとって、私物端末は会社が支給する端末よりも利用しやすい。日常的にそのOSを利用しており、使い方を知っているためだ。従業員が端末を自分に合ったユーザーインタフェース(UI)にカスタマイズすることも容易になる。BYODを採用することで、会社が端末の使い方について研修する必要性は少なくなる。
IT部門にとっての課題は、会社のデータに確実にアクセスできるようにしながらセキュリティを確保することにある。BYODユーザーのプライバシーとセキュリティ対策のバランスを保とうとしているIT部門にとって、OSが異なる複数の端末を管理したり、問題を解決したりするのは難しい場合がある。BYODを続けるには、「MDM」(モバイルデバイス管理)製品を使って、従業員の私物端末から社内システムにアクセスする際のポリシーの設定や端末の紛失対策を実施する必要がある。
中編は、さらに2つの考慮点を説明する。
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