モバイルデバイスの配備方法として一般的になった「BYOD」と、1文字違いの「CYOD」。これらは何が違うのか。双方の基本的な意味を簡単に解説する。
従業員にモバイルデバイスを配備する際に、企業が選び得る主な選択肢は4つある。このうち「BYOD」(Bring Your Own Device)と「CYOD」(Choose Your Own Device)を解説する。
BYODとは、従業員が所有する私物デバイス(通常はスマートフォンやタブレット)を業務に使用することを指す。例えば従業員が私物スマートフォンに業務用のメールアカウントを設定し、メールチェックなどの業務に関連する活動に使用するといった具合だ。業務データを入出力する業務用アプリケーションを私物デバイスにインストールすることもある。
従業員にとってBYODは、デバイスを選択しやすく、用途を限定しない利点がある。だがセキュリティ面では最善の選択肢ではない。BYODを採用する企業は「MAM」(モバイルアプリケーション管理)ツールの導入を検討すべきだ。MAMツールは、業務データの暗号化などのセキュリティ対策をしながら、デバイス内の業務用アプリケーションをコントロールできる。
CYODは、企業が提示した幾つかの選択肢から従業員がデバイスを選ぶ方法だ。従業員は選んだデバイスを業務に加えて、企業が許す場合には一定の条件下で私的に利用できる。CYODでは、従業員に提供するデバイスのブランドやモデルを企業が指定する。そのためBYODよりも企業がデバイスを管理しやすい。IT部門は、従業員がデバイスで利用するアプリケーションの制限や管理をする。場合によっては従業員にデバイスの私的な使用を許可することも可能だ。
IT部門は、CYODを取り入れることでデバイスに特定のセキュリティポリシーを適用できる。典型的な制限事項としては、複雑なパスワードを要求する、アプリケーションのインストールに対してIT部門の承認を必要とする、コンテンツのフィルタリングやGPS(全地球測位システム)によるトラッキングを有効化する、などがある。IT部門は「MDM」(モバイルデバイス管理)ツールにより、デバイスのアップデートと監視をリモートで実行できる。
第3回は「COPE」(Company Owned, Personally Enabled)と「COBO」(Company Owned, Business Only)を解説する。
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