「iPhone 12」が「5Gスマホは買わずに待つべし」という“常識”を変えたGartnerとIDCの調査では買い替え需要が高まる兆し

低迷していたスマートフォン市場が回復し始めた。アナリストはその要因として、Appleの「iPhone 12」シリーズによる「5G」スマートフォン市場の活性化があるとみる。GartnerやIDCの調査結果から市場の動きを探る。

2021年04月03日 05時00分 公開
[Mike GleasonTechTarget]

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 「5G」(第5世代移動通信システム)による通信が可能なAppleのスマートフォン「iPhone 12」シリーズは、それまで低迷していたスマートフォン市場に活を入れ、2020年第4四半期の下支えとなった。

 調査会社Gartnerが2021年2月に発表したレポートによると、2020年第4四半期(10月〜12月)の世界スマートフォン市場では、Appleの「iPhone」シリーズの販売台数が前年同期比で14.9%伸びて約7990万台となり、首位を獲得。Samsung Electronicsは約6210万台で2位だった。Gartnerの調査データによると、Appleがスマートフォンの四半期販売台数で世界首位に立つのは2016年第4四半期以来となる。

 2021年1月には調査会社IDCが、2020年第4四半期における世界全体の小売業者へのベンダー別スマートフォン出荷台数を発表。Appleが約9010万台で首位に立ち、2位のSamsung Electronicsが約7390万台だったと報告している。

 Gartnerによると、2020年第4四半期におけるスマートフォンの世界販売台数は約3億8460万台で、前年同期(約4億660万台)と比べて5.4%減少した。ただし2020年第1四半期(1月〜3月)と第2四半期(4月〜6月)が前年同期比20%以上の減少、第3四半期が5.7%の減少だったことを考えると、減少率は改善した。「2020年第4四半期は5Gモデルや中〜下位モデルの販売が増え、スマートフォン市場全体の落ち込みを最小限に抑えた」と、Gartnerのアナリスト、アンシュル・グプタ氏は指摘する。

iPhone 12が「5Gスマホは買いかどうか」を愚問にした“あの理由”

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