衰退の危機にある実力派プログラミング言語5選【後編】
人気だった「Perl」「Objective-C」が“嫌われ言語”になった悲哀
かつて人気を集めていたり、不可欠だと考えられていたりしたプログラミング言語も、さまざまな理由で衰退期を迎えることがある。これらの中から「Perl」と「Objective-C」を紹介する。
中編「終わりに向かう旧『Visual Basic』がいまだに人気の“謎”」は、根強い支持を集めながらも衰退する可能性のある5つのプログラミング言語のうち、「Haskell」とバージョン6.0以前の「Visual Basic」を取り上げた。後編は「Perl」と「Objective-C」を紹介する。
Perl
Perlは1980年代に「UNIX」のシステム管理タスク用スクリプト言語として登場し、後に汎用(はんよう)プログラミング言語として人気を得た。古いプログラミング言語だが、データサイエンスや分析などの分野では今も重要な位置を占めている。ソフトウェア品質評価企業TIOBE Softwareによるプログラミング言語ランキング「TIOBE Index」の2021年7月版では18位に入った。だが2000年前後のピーク時と比べると、Perlのマインドシェアははるかに低くなった。
かつての人気言語が“嫌いなプログラミング言語”に
併せて読みたいお薦め記事
「COBOL」が根強く使われる理由
プログラミング言語「Go」の魅力
2019年にはPerl開発者のラリー・ウォール氏がPerlの後継として設計した「Raku」が登場し、コミュニティーがPerlに向ける熱意は下火になった。Perlには新しいバージョンのリリース計画もあり、消えるプログラミング言語とまでは言えない。ただしレガシーコードベースでしか使われないプログラミング言語への道を急速に進んでいる。Q&Aサイト運営会社Stack ExchangeのプログラミングコミュニティーStack Overflowが2020年に実施した開発者調査では、Perlは嫌いなプログラミング言語3位だった。
Objective-C
10年前まではObjective-Cが“忘れられるプログラミング言語”の候補になるとは、とても考えられなかった。プログラミング言語「C」ベースのプログラミングにオブジェクト指向を取り入れたObjective-Cは、AppleおよびNeXT(NeXT Computer、NeXT Software)の代表的なプログラミング言語であり、「macOS」「iOS」向けアプリケーション開発の中核的な手段となった。
2014年、複数のOSで稼働するクロスプラットフォームアプリケーションやサーバサイドアプリケーション開発の需要に応えるために、Appleが「Swift」を生み出したことで情勢は変わった。TIOBE Indexの2021年7月版では、Objective-Cは21位、Swiftは16位に入った。前述のStack Overflowの調査では、Objective-Cは嫌いなプログラミング言語2位だった(1位は「Visual Basic for Applications」)。
Objective-Cは今でも十分通用するプログラミング言語だ。さまざまな既存のmacOS向け、iOS向けアプリケーションがObjective-Cで書かれているため、Objective-Cがすぐに消えることはない。Objective-Cで書かれた既存のアプリケーションが全てSwiftに移植可能なわけではなく、その必要があるわけでもない。ただし、これからのmacOSやiOS向け開発にObjective-Cが選ばれることはあまりないと考えられる。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
“攻撃者優位”なサイバーセキュリティ、全ての「穴」をふさぐ方法とは? -
製品資料
実際に悪用される脆弱性は4%前後 優先的に対処すべき脆弱性を把握するには? -
製品資料
HubSpotの機能を拡張する法人データ活用法 -
製品資料
面倒で非生産的な「名寄せ」作業 高精度&高効率に実施するには? -
製品資料
名刺管理には「その先」がある 成果のでない営業活動から脱却する秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
ISMSの“コンサル丸投げ”が招く数千万円の無駄 NTTドコモビジネスの脱出劇
-
2
マンガで解説:採択率は3割台? デジタル化・AI導入補助金申請の落とし穴
-
3
Netflixのバックエンドは「ほぼJava」 3000超のアプリを支える開発基盤の裏側
-
4
「Microsoft 365」が乗っ取られる 跡形もなくMFAを破る手口
-
5
「VMware離れ」は本当か 3000社がVCF 9にかじを切った現実的な理由
-
6
IT製品の導入に関するアンケート「サーバ&ストレージ」編
-
7
マンガで解説:KSK2稼働で何が変わる? 税務調査の高度化に備えるデータ管理
-
8
「OSの選定・導入」に関するアンケート
-
9
レガシーコードを捨てJavaで勘定系を再定義 ソニー銀行、フルクラウド化の全容
-
10
なぜ人はいるのにDXが進まない? ライオンも直面した“老害”レガシーシステム
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
2
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
-
3
財務・会計はAI活用でどう変わる? 調査で見えた変革の道筋
-
4
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
5
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
6
「結局、一部の人しか使わない」 AI活用が業務に定着しない根本的な理由
-
7
コスト分析で見る「デバイス復旧」の代償 損失額から導きだされた投資戦略とは
-
8
Macの安全神話は崩壊? 最新の脅威動向から見えた攻撃のトレンドと有効な対策
-
9
ゼロトラストにおける「IDaaSの課題」と補完すべき重要機能とは?
-
10
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー