COBOLとの付き合い方【前編】
「COBOL」プログラムが古くなっても動き続ける“切実な理由”
組織に古くからあるシステムで「COBOL」プログラムがいまだに稼働し続けていることは珍しくない。なぜそのような状況が生まれるのか。組織はなぜモダナイゼーションに踏み切れないのか。
プログラミング言語「COBOL」で開発した古いプログラムの運用はリスクをはらむ。組織はレガシーなCOBOLプログラムのモダナイゼーション(最新化)をするか、一から作り変えなければいけない。COBOLプログラムはさまざまな重要システムの中核にあり、組織がモダナイズに慎重になるのも無理はない。基幹システムに手を入れることは大きなコストやリスクを伴う。
「COBOL」が残り続ける“切実な理由”
COBOLプログラムは銀行などさまざまな組織における基幹システムの中核を担っており、世界各国の政府機関がCOBOLプログラムを活用している。COBOLプログラムは概して運用にコストがかかり、機能が限られる。にもかかわらず現代もなお、組織はメインフレームでCOBOLプログラムを実行している。
メインフレームにあるシステムのモダナイゼーションを進めないままCOBOLを利用し続けている組織は、メインフレームで構築したシステムをクライアント・サーバ型や市販システムに入れ替えることに対して慎重だ。「少なくとも新しい技術が成熟するまでは危険が大きい」と見なす傾向がある。
モバイルデバイスやグラフィックに重点を置く現代のシステムを運用するには、レガシーなCOBOLプログラムからの脱却は不可欠だ。COBOLプログラムのモダナイズには、「C」などのプログラミング言語や、Microsoftの「.NET Framework」といったアプリケーション開発・実行環境を利用できる。
なぜレガシーシステムの移行は高リスクなのか
組織がビジネスを成功させるには、市場の変化に応じて競合他社に先手を打たなければならない。そのためには「レガシーなCOBOLプログラムを、最近のプログラミング言語で書き換えるべきだ」というのが、かつての主要な見解だった。だがこれを実行に移す上で問題になるのは、COBOLプログラムが組織の業務を支えるバックボーンを担っていることが少なくない点だ。新しいプログラムを本番環境で稼働させるには、事前に膨大なコストをかけて検証する必要があり、リスクもある。
この検証プロセスで大きな失敗をした事例はさまざまだ。世界中の政府機関でシステム移行プロジェクトが失敗してきた。そのリスクを避けるため、組織の最高情報責任者(CIO)は歯がゆい思いをしながら10年ごとに新たなメインフレームを調達しているのが現状だ。そうした“とらわれの顧客”は設備調達、サポート、運用にかなりのコストを支払うことになるだろう。
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