Google Cloud Platformのメインフレーム戦略【後編】
「IBM Z」などのメインフレームからクラウドへの移行がすぐには進まない理由
GoogleはCornerstone Technologyの買収でメインフレームからクラウドへの移行手段を充実させている。IBMなどのメインフレームベンダーもニーズを維持するための対策に乗り出している。その中身とは。
Googleはメインフレームで稼働するアプリケーションのパブリッククラウドへの移行を専門とするCornerstone Technologyを買収した。今回の買収は「大規模ユーザー企業を増やす」という、Googleのトーマス・キュリアン氏の計画を反映している。キュリアン氏はパブリッククラウド「Google Cloud Platform」(GCP)を含む同社のGoogle Cloud部門CEOだ。本稿は前編「Googleが買収したCornerstoneとは? メインフレームアプリをクラウドへ」と中編「Googleが『メインフレーム』からのクラウド移行に目を付けた納得の理由」に引き続き、同社がCornerstoneを買収した背景とその狙いを考察する。
メインフレームをクラウドのように利用可能にするIBMの戦略
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クラウドへのシステム移行
メインフレームで最新技術を使う
Cornerstoneのメインフレーム移行技術をGoogleがどう利用しようと、ユーザー企業からの反響は薄い可能性がある。IBMは自社のメインフレーム「IBM Z」で新たなテクノロジーを積極的に利用できるようにしている。OSの「Linux」からコンテナオーケストレーションの「Kubernetes」まで、最新技術はメインフレームで適切に動作する。
メインフレームにはインフラの拡張性の問題がある。ただし「その問題は全てのオンプレミスインフラに共通する」と、産業特化型ソフトウェア開発会社Constellation Softwareでアナリストを務めるオルガー・ミューラー氏は話す。人工知能(AI)技術向けに大量のコンピューティングリソースが必要だったり、ビッグデータ向けにストレージが必要であったりするなら、インフラの拡張が容易に可能なクラウドが適している場合がある。
従量制の課金方式は、ユーザー企業にとって魅力のあるクラウドの特徴だ。IBMは2019年、IBM Zの新しい提供形態でこの課金方式を適用する方向へと動いた。
メインフレーム移行サービスベンダーを買収したGoogleの狙い
「大半のユーザー企業はメインフレームからのデータ移行先として、パブリッククラウドではなく、プライベートクラウドに注目している」。そう話すのは、米ワシントンD.C.に拠点を置くITコンサルティング会社Communications Network ArchitectsでCEOを務めるフランク・ズベック氏だ。理由は、自社に必要不可欠なデータやアプリケーションを、パブリッククラウドに移動することを恐れている大企業が少なくない点にある。「例えば社会保険庁が退職者への支払い処理を全てパブリッククラウドに移すとは考えづらい」(ズベック氏)
Cornerstoneの技術は、メインフレームで稼働する重要度の低いアプリケーションや古くなったアプリケーションを取り除く機会をユーザー企業に提供し、社内の管理コストを低減する。Cornerstoneの買収は、GoogleとIBMの競争状態を反映している。「Googleは必ずしもメインフレームをクラウドに置き換えようとしているわけではない。古くなって使われていないメインフレームを置き換えようとしているだけだ」とズベック氏は語る。
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