医療CIOが語る、2020年の技術動向【後編】
「遠隔医療」「AI」に熱視線 医療機関CIOが最もわくわくする技術は?
医療機関は2020年にどのIT分野を優先して取り組むべきだろうか。米国の医療グループSCL Health、Boston Medical Center、Northwell HealthのCIOの見解を紹介する。
医療業界のCIO(最高情報責任者)は、2020年にどの課題を優先して取り組み、どんなトレンドに期待を寄せているのだろうか。本稿は前編「『DX』に『セルフサービスBI』――医療機関のCIOが注目するトレンドは?」に続き、下記3つの医療機関のCIOが2020年に取り組むべきと考えている課題、2020年に最も楽しみにしていることを紹介する。
- Sisters of Charity of Leavenworth Health System(「SCL Health」の名称で事業展開)
- Boston Medical Center
- Northwell Health
―― 2020年に取り組むべき課題は何か。
クレイグ・リチャードビル氏(Sisters of Charity of Leavenworth Health System) 私たちの進歩に付随する継続的な課題は、ITサービスの変更管理と変化の実現を通してデジタイゼーション(デジタル技術で業務プロセスを変革し、生産性向上などの成果につなげること)を実現するための文化と能力だ。私たちは絶えず変化し、改善し、自分自身と業界を変革し、前進する文化を創造する必要がある。
アーサー・ハーベイ氏(Boston Medical Center) 異なる組織にわたるデータ連携だ。組織内ですらデータの連携は非常に困難だったため、医療分野におけるメッセージ交換の標準規格「HL7」が策定された。しかし今でも、組織をまたぐデータ連携は難しい。この課題の解決には、新しい標準が必要だ。その標準は現在進化の段階にあると考えている。
ジョン・ボスコ氏(Northwell Health) 患者満足度の向上につながる「エクスペリエンス」(体験)の改善が最重要だと考えている。これは大きな挑戦であり、今後も継続する。IT部門側から見ると、患者のエクスペリエンスは広範だ。病院の検索、診療予約、来院の管理について考える必要がある。退院後も患者と連絡を取り、患者が健康を回復し維持するために多くの課題と取り組んでいる。
―― 2020年に最も楽しみにしていることは。
リチャードビル氏 頭を回転させ、目を完全に開いておく必要がある。IT製品やサービスが業界の内外で利用可能になる速度は急速に高まっている。そのため現時点の優位性を活用し、将来に備え、未知のものでも柔軟に対処する能力が成功の鍵となる。
ハーベイ氏 私が興味を持ったことのほとんどは、しばらく前から存在していたもので、実際に採用すれば医療の質を改善できる。例えば遠隔医療だ。今は昔よりもますます広まりつつある。医療サービスを受けられる機会を拡大して、比較的軽症の患者が遠隔診察を受けられるようにすることは、患者にとっても病院にとっても、誰にとっても良いことだ。このような動向の中にこそ、本当に価値のある成果が見つけられるだろう。
ボスコ氏 最先端の技術には非常に興味がある。そのため、新技術のテストと実験的な運用を続けていくことに非常にわくわくしている。AI技術は医療と私生活の両方で世界を支配することになると考えており、最も注目し続けたいテーマだ。AI技術は舞台裏でその力を発揮するため、全てが非常に賢く、はるかに洗練されたものへと進化し続けるだろう。生活のあらゆる部分がより洗練され、全ての人に大きな影響を与えるはずだ。
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