COBOLとの付き合い方【後編】
“Visual COBOL”に期待か? “死んだ言語”「COBOL」復活の条件
さまざまな理由で古い「COBOL」プログラムを使い続ければならない組織は、COBOLとどう向き合っていけばよいのか。「COBOLそのものが変わればよい」という考え方もあるが、それは根本的な解決策になるのか。
「COBOL」は古くから基幹システムなど重要なシステムを支えるプログラムの開発に用いられてきたプログラミング言語だ。レガシーなCOBOLプログラミングをそのまま稼働させ続けることはリスクを伴う。システム刷新のために「プライベートクラウド」(リソース専有型クラウドインフラ)など、新しいインフラにCOBOLプログラムを移行させることを検討する組織もあるだろう。
組織はCOBOLプログラムのインフラ移行に付随する問題にも目を向ける必要がある。COBOLプログラムの担当者はたいてい、退職が迫ったベテランの従業員だ。そうした従業員は、業務システムと自社の事業に関する膨大な経験により、高い精度でピンポイントにプログラムを変更できる。
“死んだCOBOL”を生き返らせる解は“Visual COBOL”か?
問題はCOBOL業界で新人が育成されていないことだ。大学や専門学校でCOBOLを教えるところは多くないだろう。COBOLは「昔からのIT業務でしか利用されない“死んだプログラミング言語”」になった。
ではどうすればいいのか。答えは「COBOL自体を若返らせること」だ。Microsoftが開発するプログラミング言語「Visual Basic」はかつて、現代のシステム開発に即した機能設計を通じて、プログラミング言語「BASIC」を蘇生させた。同様にCOBOLが“Visual COBOL”のような形でアップデートすれば、新人開発者がCOBOLを習得しやすくなり、開発プロセスを高速化できるようになるだろう。
“Visual COBOL”は完全な答えではない。組織はシステム移行に伴ってシステムにまつわる業務プロセスを更新する必要があり、それには相当の労力を必要とする。レガシーなCOBOLプログラムは改修に時間がかかり、アジャイル開発(開発とリリースを短いサイクルで繰り返すシステム開発方法)が求められる現代の業務にはそぐわない。
転換を促す競争圧力
COBOLプログラムを新しいインフラに移行させても、新しい技術の圧力に直面することがある。言い換えればCOBOLプログラムのインフラ移行を決断しても、現代の技術を採用したアプリケーションへの避けられない移行を遅らせることにしかならない場合がある。
新しい技術は、一般的にレガシーなCOBOLプログラムよりもデータを高速に扱えるプログラムを実現する。例えば以下の技術がそうだ。
- データをメモリに記録することで高速な読み書きを実現する「インメモリデータベース」
- CPUを補助するため、GPU(グラフィックス処理プロセッサ)などのハードウェアで演算処理を実行する「ハードウェアアクセラレーション」
- 多数のコンピュータやマイクロプロセッサを並列で稼働させて単位時間当たりの演算速度を高める「MPP」(Massively Parallel Processing)
最高情報責任者(CIO)にとっての課題は、レガシーなCOBOLプログラムを新しいインフラに移行させてモダナイゼーション(最新化)をするのか、それとも完全に刷新するのかを判断することだ。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[Datadog Japan合同会社] Wantedlyのオブザーバビリティはどう進化したか 10年の軌跡と実装の変遷 -
事例
[Datadog Japan合同会社] エラー検知から原因調査までを最短5分で、日経新聞に学ぶアプリ監視の改善方法 -
製品資料
[Datadog Japan合同会社] クラウドのコストと利用状況を可視化&最適化、「Datadog」の実力とは? -
事例
[Datadog Japan合同会社] クラウド移行で見えた監視の死角、SBI証券が選んだ統合オブザーバビリティ実践 -
製品資料
[NTTPCコミュニケーションズ株式会社] リソースに限りのある中堅企業で「多層防御」の運用負荷をどう乗り越える?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
ITエンジニア1265人調査 生成AIを使い込むほど「人の確認」が重い理由
-
2
Microsoft製品でここまで自動化できる 情シスがやめられる手作業10選
-
3
全社標準Copilotに絶望? MS Copilotで問い合わせ6割減できた企業は何が違った
-
4
脱VMwareの前提が崩れる BroadcomのVDDK公開停止で確認すべき点
-
5
「Microsoft一択」で本当にいいのか 知らぬ間にライセンス費用が膨らむ真相
-
6
AIエージェントを暴走させない設定、済んでますか? 対策5選を専門家が紹介
-
7
「Copilot」はなぜ放置される? “議事録要約止まり”を脱する処方箋
-
8
ルーブル美術館も被害に “ありふれた手口”で巨額ハッキングが成功する理由
-
9
機械学習について、正しく説明している文章はどれ?
-
10
コスモ石油、法令申請業務をどうシステム化した? ベテラン頼みの法令判断を解消
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
2
生成AIで文書活用を進めるには? 効率化と安全性をどう両立する
-
3
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
4
Windows PCとMacの選択制で生産性向上 LINEヤフーが実践する運用管理方法とは
-
5
少額減価償却資産が40万円未満へ拡大、令和8年度税制改正で押さえるべき変更点
-
6
「Google Workspace」活用事例34選、先進の生成AIによる組織変革の全貌
-
7
国税庁の次世代基幹システム「KSK2」稼働開始に向けて、対応すべき変更点とは?
-
8
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
9
Linuxのスキルを証明する“激推し”の認定資格はこれだ
-
10
AI時代に成功するための「ナレッジマネジメント」ベストプラクティス
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー