オフィスワーク再開に役立つ「ワクチンパスポート」の今【前編】
新型コロナの「ワクチンパスポート」は今どうなっているのか?
COVID-19の流行が収まらない中、企業がオフィスでの業務再開を進める上で役立つのが「ワクチンパスポート」だ。国やベンダー、医療機関は、ワクチンパスポートにどう取り組んでいるのか。動向を追う。
「オフィスワークを再開するために、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の『ワクチンパスポート』(ワクチン接種証明書)を活用しようと考えている企業は、データ管理の課題に全部門総出で取り組む必要がある」。そう語るのは、調査会社Forrester Researchのプリンシパルアナリストであるハイディ・シェイ氏だ。
シェイ氏は2021年3月に同社が発表した、ワクチンパスポートに関する報告書「The Opportunity, the Unknowns, and the Risks of Vaccine Passports in the Workplace」を共同執筆した。ワクチンパスポートの活用を始める企業は、議論のための社内委員会を発足させることが必要だとシェイ氏は指摘。社内委員会にはIT、セキュリティ、人事、個人情報保護、法務、リスク管理など、あらゆる部門の代表が参加すべきだと主張する。
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知っておきたい「ワクチンパスポート」を取り巻く動き
COVID-19ワクチンを接種済みであることを証明するワクチンパスポートに対する関心が高まっている。米国のジョー・バイデン政権は、オフィスへの復帰をはじめとする国民生活の正常化に向けた取り組みの一環として、民間組織主導でワクチンパスポートの基準を定める考えを示した。
オフィス再開のためにワクチンパスポートを活用しようと考えている企業は、従業員の個人情報を含むワクチン接種データの扱いと責任に関するポリシーの策定準備を始める必要がある。IT部門は、ワクチン接種データのプライバシー保護とセキュリティ対策を実施しなければならない。
民間組織の取り組み
前述の通り米政府は「COVID-19のワクチンパスポートの作成を民間組織主導で進める」との意思を示した。それを受けて民間組織は、カードやスマートフォン向けアプリケーションなど、さまざまな形態のワクチンパスポートの開発を進めている。
IBMとSalesforce(salesforce.com)の「IBM Digital Health Pass」は、取引記録を分散させて記録することで取引の正当性を確保する「ブロックチェーン」技術を活用して、個人の健康状態に関するデジタル証明書を提供するアプリケーションだ。Microsoft、Oracle、医療機関のMayo Clinic、電子カルテ(EHR:Electronic Health Record)ベンダーのCernerやEpic Systemsなどが参加するプロジェクト「Vaccine Credential Initiative」は、個人のワクチン接種記録をデジタル化し、保管・活用できるようにすることを目指している。
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