サイバーセキュリティ予算の賢い立て方・使い方【後編】
ROIを高める「サイバーセキュリティ予算」の使い方“3大ステップ”
サイバーセキュリティはROIが見えにくい。CISOがサイバーセキュリティ予算の配分と投資で組織に貢献するためには、どうすればよいのか。
最高情報セキュリティ責任者(CISO)がサイバーセキュリティ予算を効果的に管理するには、現状の把握と将来の計画が不可欠だ。サイバーセキュリティ予算を適切に配分し、適正に支出するには、以下の3つのステップを踏むとよい。
ステップ1.現在の予算配分を把握する
利用中の製品・サービスと、それらに費やしている日次、月次、年次の支出額を確認する。予算配分は定期的に確認しなければならない。年に一度、ベンダーとの契約を更新する期限が近づいてから確認するのでは不十分だ。クラウドサービスやサブスクリプションモデルが普及する以前は、支出の内訳の確認はシンプルだった。これらが普及してからは、支出の内訳の確認に多くの労力を要するようになった。
ステップ2.有効性をモニタリングする
現状を把握したら、利用中の製品・サービスや、現在の業務プロセスの有効性を常時モニタリングして、結果に応じて調整、見直し、廃止する。業種特有の傾向や、標的となった組織の事例を、製品・サービスの利用をやめるかどうかを判断する材料にすることも可能だ。有効性のモニタリングは、費用対効果(ROI)の高い新製品・サービスを評価する機会にもなる。
注意が必要なのは、製品・サービスの価値を、その利用頻度だけで判断することはできないことだ。日々従業員のメールアドレス宛てに届くフィッシングメールを防御するフィッシング対策ツールのように、毎日機能することで必要性を実証できる製品・サービスもある。DoS(サービス拒否)攻撃対策ツールやランサムウェア(身代金要求型マルウェア)攻撃対策ツールのように、攻撃がない限り機能しない製品・サービスもある。
ステップ3.確信を持てる提案をする
基幹業務部門の責任者が業務効率や収益を追求する上で、CISOは貴重な役割を果たすことができる。社内の特定の部門が使用中の製品・サービスのリスクに関して、CISOが詳細なレポートを提示するとしよう。その部門はレポートを確認することで、その製品・サービスが受ける可能性のある攻撃の影響を理解できる。CISOはレポートを通じて、どうすれば潜在的リスクの影響を軽減できるかを示すことも可能だ。根拠を伴う提案は、CISOにとっても基幹業務部門の責任者にとっても、ROIが高い事前予防的アプローチの採用につながる。
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