限られた時間と予算を有効に使う
中小企業のBCPで課題となる予算、技術、人材、時間 どう解決する?
事業継続計画(BCP)を立てるときは、中小企業も大企業も同じレベルの回復性と継続性が必要だ。予算や人材が限られる中で、中小企業が事業継続と災害対策(BC/DR)に万全を期すには。
企業は規模の大小を問わず、いつでもどこからでも常に製品やサービスにアクセスしたいという顧客のニーズを感じている。そのため中小企業でも事業継続計画(BCP)を大企業と同じ条件で考えるのは当然だ。
大企業と同レベルの回復性と継続性を実現しようとすれば、幾つか明確な課題が生じる。現在はバックアップ、災害復旧、IaaS(Infrastructure as a Service)が進化し、小規模な企業にも大企業に匹敵する災害復旧計画を立案するチャンスがある。
BCPを考える際、特に中小企業の課題になるのは以下のような項目だ。
- 予算:中小企業は一般的に、事業継続と災害対策(BC/DR)に利用できる資金が大企業と比べ少ない。
- 利用可能なテクノロジー:オンプレミスハードウェアを購入するには、どのようなものでも構築費用がかかる。いつかは、大企業レベルのハードウェアにアクセスするための最低限のコストがかかる。
- 人材:中小企業にはIT担当者の数が少ないため、全員が多くの仕事を担当している。大企業では、大体データ保護担当者はその仕事のみをする。別の職務を担当するとしても、サーバ管理のような関連業務1つくらいだ。そのため大企業では状況に応じた専門的な見解を得ることができ、より正確で効果的な回復が可能になる。
- 時間IT担当者が多くの職務を兼任するため、中小企業環境ではどの担当者にもBC/DR戦略を見直してテストし、更新する時間の余裕がない。
こうした制約があるため、大規模企業レベルのBCPを導入するには、可能な限りクラウドを利用するのが理にかなっている。そのためには次のような手段を講じる必要がある。
- 各事業の復旧のニーズを定義する:ビジネスクリティカルなデータ、アプリケーション、システムを特定する。そして復旧時間と復旧時点の目標を決める。最後に復旧する対象の類似性に基づいて、各復旧セットの論理グループ化を作成する。こうすることで、自社のワークロードの復旧における、最も重要なテクノロジーとデータの定義が得られる。
- クラウドサービスプロバイダー(CSP)に相談する:大半の中小企業には適切なBCPとDRを立案できる専門知識が社内にない。中小企業では大手CSPのいずれかを選ぶことが常に最適な手段になるとは限らない。必要なのは、BC/DRに力を注いでいるCSPの専門知識を利用することだ。そこで1つまたは複数のDR関連のクラウドサービスを自社で利用する具体的な計画の立案を依頼する。
- 実際に必要なサポートを判断する:ほとんどのCSPは顧客の需要に応じて必要な量のサポートを提供できる。IT部門の人材と時間の制約を見直し、CSPを必要最大限に利用する場合のコストと制約との間でバランスを取る必要がある。
口で言うほど簡単なことではない。それでもある程度の事業継続性を確保するには、必要なBC/DRサービスの予算よりも多くの予算が必要になることを認識しておくことが重要だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社フィックスターズ] 組み込み開発特有の課題も解消できる「AI活用」の秘訣とは? -
事例
[株式会社ビザスク] 「新規事業」事例集:大手企業はどのように想定顧客ヒアリングを行っているのか -
市場調査・トレンド
[株式会社ビザスク] 質の高い「仮説検証インタビュー」を実施するためのポイント -
事例
[株式会社ビザスク] 富士フイルムの新領域参入に学ぶ事業創出 「畑違い」でもビジネス化できる方法 -
事例
[株式会社ビザスク] 三菱電機 上席執行役員に学ぶ、未来を切り開く「新事業創出」の実践方法
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
2
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
3
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
4
鹿島建設のDXを阻む「10年前のAWS」 安全性と自由度を両立したモダナイズ
-
5
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
6
「ネットワークインフラの現状と課題」に関するアンケート
-
7
「ITインフラとデータ保護・バックアップ対策」に関するアンケート
-
8
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
9
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
-
10
【漫画付き】ひとり情シス協会が明かす、RAG導入でしくじる企業「2つの共通点」
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
3
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
8
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー