高レベルの冗長性を確保
「災害でクラウドが止まる日」に備えてマルチクラウドを検討すべき理由
災害復旧戦略にマルチクラウドの利用を含めると、導入がやや難しくなる。だが、うまく導入できれば、クラウド計画の信頼性が高まる。
クラウドを使った災害復旧では100%の信頼性などあり得ないと考えておくことが重要だ。クラウドサービスベンダーは、自社インフラをあらゆるレベルでの冗長性を実現するため膨大な費用を投じている。それでもクラウドの停止は発生する。そこで、クラウドベースの最適なオプションとなるのが、マルチクラウド災害復旧戦略だ。
大手パブリッククラウドには、恐らくオンプレミスと同程度の信頼性がある。だが、より高いレベルのセキュリティを確保する方法の一つがマルチクラウドの利用だ。
このオプションの導入は難しくなる可能性がある。それは、仮想マシンの標準がクラウドベンダーごとに異なるためだ。とはいえ、マルチクラウド障害復旧戦略は、セキュリティ対策に厚みを持たせることができる。
併せて読みたいお薦め記事
マルチクラウド戦略が推奨される理由
災害対策の懸念点と対策
障害復旧計画の根本的な問題とは
障害復旧計画の大きな問題は、災害が何を引き起こすか、災害の影響がどれくらい広がるかを完全には予測できないことだ。普通に考えれば、クラウドベンダーと企業が同時に災害に見舞われる可能性はほぼゼロに近い。しかし、大規模な災害が起きれば、企業自体と企業が災害復旧のために用意したクラウドの両方に影響が及ぶ可能性はある。例えば、大きな嵐は影響範囲が数百キロ規模になることがある。クラウドベンダーのデータセンターと企業のデータセンターが距離的に近ければ、両方が同じ嵐の被害を受けるかもしれない。
単一のクラウド(シングルクラウド)を選ぶとしても、同じ地域のクラウドに全てのリソースを保管しないようにする。ミッションクリティカルなリソースを会社と地理的に近い地域のクラウドに複製すること自体に問題はない。だが、マルチクラウド災害復旧を利用して地理的に離れた2つ目のクラウドにリソースを複製するのが理想的だ。
シングルクラウドベンダーでも複数の地域に複製できる場合がある。それでも、マルチクラウドを検討する必要はあるのだろうか。1社のクラウドベンダーのデータセンターは、各地に点在していたとしても全て同じクラウドの一部だ。もしそのクラウドプロバイダーで世界規模の障害が発生した場合、同じベンダーの全地域のデータセンターが影響を受ける可能性はある。一方、2社の異なるクラウドベンダーで同時に世界規模の壊滅的障害が発生する可能性はほぼゼロに等しい。
クラウドベースの障害復旧計画の一環としてマルチクラウド障害復旧戦略を選ぶ場合は、地理的な重複は避けるようにする。例えば、あるベンダーが米国東海岸地域のデータセンターを使用しているなら、もう一方は別の地域のクラウドベンダーを選択する。そうすれば、1つの地域で災害が発生しても、両方のクラウドが同時に停止する可能性は少ない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[o9ソリューションズ・ジャパン株式会社] 「改正物流効率化法対策」徹底解説 総物流費を抑制するサプライチェーン戦略 -
製品資料
[o9ソリューションズ・ジャパン株式会社] 「サプライチェーン最適化」実践ガイド:効果的な意思決定を実現する秘訣とは? -
製品資料
[株式会社リンプレス] 非デジタル/IT人材を「自走するDX推進者」に変えるための育成ロードマップ -
市場調査・トレンド
[ワンアイルコンサルティング株式会社] AI時代の組織設計:「判断と責任」を人に残すための2つの原則とは? -
技術文書・技術解説
[ワンアイルコンサルティング株式会社] システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
1200万円のSaaS導入を回避 スギ薬局「運用費10万円」のAIエージェント構築術
-
2
「完璧な設計」なのに3000万円溶けた AWSの失敗事例から学ぶ3つの教訓
-
3
クラウド資格コレクターは評価されない? 年収1000万を分ける“OSの理解度”
-
4
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
5
高額な「AI PC」を一般従業員も使えたら? 費用のハードルを一気に下げる方法
-
6
「コピペ運用の限界」に直面するAI活用 7割超が“別画面”のまま使う理由は?
-
7
LLMの「過学習」、正しく説明している文章はどれ?
-
8
「AIバブル」は崩壊するのか? 熱狂の後に来る“尻拭い”と4つの防衛策
-
9
2035年までに1億4500万台、急拡大する「フィジカルAI」市場の勝者は誰か
-
10
IT調達担当者が知るべき「IT機器 大インフレ時代の前向きな選択肢」
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
2
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
3
Windows PCとMacの選択制で生産性向上 LINEヤフーが実践する運用管理方法とは
-
4
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
5
「Google Workspace」活用事例34選、先進の生成AIによる組織変革の全貌
-
6
生成AIで文書活用を進めるには? 効率化と安全性をどう両立する
-
7
「人員を増やす」という選択肢はない 情シスが負の連鎖から抜け出すには?
-
8
「問題が深刻化しやすいプロジェクト管理」から脱却する方法とは?
-
9
Linuxのスキルを証明する“激推し”の認定資格はこれだ
-
10
NTTドコモが実践したクラウド統合監視 業務量2倍でも残業削減を実現できた理由
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー