ライブラリとフレームワークを使い分ける【後編】
「ライブラリ」と「フレームワーク」を見分ける有力な方法
ライブラリとフレームワークは、アプリケーション開発における役割や設計思想が異なる。開発者の視点から、それらを見分ける方法を解説する。
前編「いまさら聞けない『ライブラリ』と『フレームワーク』の違いとは?」は、ライブラリとフレームワークを解説した。ライブラリは特定の機能を実行するためのメソッド(データに対する操作)やクラス(データとメソッドの集合)といったコンポーネントの集合体、フレームワークは特定の機能を実装するためのプログラミングの型だ。
一般的にライブラリは、与えられた問題をどう解決すべきか、問題の範囲は何か、最も効率的かつ効果的なやり方はどのようなものか、といった問いに対する見解を示す。フレームワークは、使いやすさやアプリケーションの応答速度、機能拡張性、互換性といった非機能的要件が比較のポイントになる。
「IoC」とは? ライブラリとフレームワークを見分ける有力な方法
ライブラリとフレームワークを区別する別の要因として、「制御の反転」(IoC:Inversion of Control)が存在するかどうかという点がある。IoCは「ハリウッド原則」とも呼ばれ、コンポーネント同士の結び付きを弱め、コンポーネントの再利用性を高めるデザインパターンだ。
ライブラリを使ったアプリケーション開発では、開発者がライブラリのコンポーネントをインスタンス化(実体生成)することで、ライブラリが提供するクラスのメソッドを呼び出せるようになる。例えば開発者がライブラリを使って独自のアプリケーションを開発する場合、機能を実装するために、さまざまなライブラリを組み込む必要がある。アプリケーションがライブラリに依存するこの構造は、IoCには従っていない。
フレームワークを使ったアプリケーション開発では、フレームワークがアプリケーションの土台となり、開発者は必要な場合のみアプリケーションの独自機能を呼び出す構造になる。独自機能を呼び出す主体がフレームワークであるこの構造は、IoCに従っている。
ライブラリとフレームワークの併用
ライブラリとフレームワークは機能が異なるものの、いずれもアプリケーション開発の役に立つ。プログラミングに共通する課題の中には既に解決されたものも少なくない。オープンソースプロジェクトとして共有されているにもかかわらず、「車輪の再発明」をして時間を浪費すべきではない。
アプリケーション開発プロジェクトに新しく取り掛かる際は必ず、役に立ち、定評のあるフレームワークを選ぶことが重要だ。同時に、自社のニーズに即した開発、設計理念を貫く必要がある。選択したフレームワークでカバーできない例外的な処理が発生した場合でも、それに対処するための標準的なライブラリがあるはずだ。
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