Air Indiaの大規模なデータ流出の教訓
航空会社の顧客情報450万人分が漏えい 「SITA」攻撃で何が起きたのか?
SITA(国際航空情報通信機構)がサイバー攻撃を受け、航空会社に影響が広がっている。Air Indiaは450万人の顧客情報が流出したことを発表した。今回の事件から企業が学ぶべきことは何か。
航空会社にITサービスを提供する多国籍企業、SITA(国際航空情報通信機構)は2021年3月、同社サービス運営用サーバがサイバー攻撃を受け、ユーザー企業のデータが流出したことを発表した。被害を受けた航空会社の一つがAir India(エア・インディア)だ。Air Indiaは2021年5月、SITAへの攻撃によって、約450万人の顧客情報が漏えいしたと発表した。漏えいしたのは、2011年から2021年にかけてAir Indiaを利用した顧客の情報だ。
併せて読みたいお薦め記事
あらゆる機器がハッキングの的にされている
セキュリティ製品選びのポイント
SITAへの攻撃によりAir India以外にも、数社の航空会社で顧客情報が流出した。現時点で被害が報告されているのは、Singapore Airlines(シンガポール航空)やFinnair(フィンエアー)、Jeju Air(チェジュ航空)、Malaysia Airlines(マレーシア航空)など。
Air India「個人情報450万人漏えい」の実態とは
流出したAir Indiaのデータには顧客の名前やクレジットカード情報、生年月日、連絡先、パスポート番号、チケット情報、マイルの残高などが含まれている。同社によると、SITAから事件について最初に報告を受けたのは2021年2月25日(現地時間)だ。Air Indiaは被害について調べ、2021年3月下旬に影響を受けた顧客を特定できたという。同社はその後、提携しているクレジットカード会社へ攻撃について通知し、マイレージサービスのパスワード設定をリセットしてもらった。
Air Indiaの広報担当は、「侵害されたサーバのセキュリティを確保した後、異常なアクティビティーがないことを確認している」と説明する。同社によると、顧客のパスワードは攻撃の影響を受けていない。個人情報の安全性を確保するために、念のため、該当する顧客に対してパスワード変更を推奨しているという。
セキュリティベンダーのWebrootでプリンシパル・ソリューション・アーキテクトを務めるマット・オルドリッジ氏はAir Indiaの発表を受け、「Air Indiaは詳細を調査するために外部のセキュリティ専門家の力も借り、攻撃後の適切な対応を取っている」との見解を示した。オルドリッジ氏によると、攻撃者は近年、航空会社を標的にして巧妙な手口の攻撃活動を加速させている。
セキュリティベンダーcomforteで製品マネジャーを務めるトレバー・モーガン氏は、「航空会社は今回のSITAへの攻撃から、顧客情報を全力で保護する必要があることを学ぶべきだ。最低限の保護策だけでは許されない」と述べる。
Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術
米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社MatrixFlow] 「物流リソース最適化」ガイド:人員・配車・傭車を出庫依頼の確定前に決めきる -
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
2
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
3
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
4
「IBM iはDXのボトルネック」は誤解 意外と知らない今風モダナイズの効果
-
5
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
6
「朝8時にバッチが終わらない」データ爆発の危機をJPX総研はどう乗り越えたか
-
7
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
8
「中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティ運用実態」に関するアンケート
-
9
IT製品の導入に関するアンケート「PC&デバイス」編
-
10
AI導入後に発覚する「社内文書を読めない」問題 情シスは何を直せばいい?
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
プログラミング不要で誰でも実現できる、ネットワーク運用管理の自動化とは
-
5
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
6
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
9
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
10
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー