AI技術を活用したセキュリティ製品は、頻発するマルウェア被害や不正行為から企業を守る期待を集めている。こうしたAI活用型セキュリティ製品のメリットと今後の動向について、専門家に話を聞いた。
「WannaCry」や「Mirai」といったマルウェアの猛威も冷めやらぬ今日、人工知能(AI)技術を活用したセキュリティ製品の市場が活気を帯びている。SymantecやMicrosoft、Sophos、Kaspersky Labなどの大手企業も次々と参入し始めた。専門家によれば、こうしたAI活用型セキュリティ製品の市場は、今後数年で急速に成長する見込みだ。AI技術を活用したセキュリティ製品の動きがなぜ活発化しているのか、今後の日本市場の可能性とともに探った。
2017年7月、調査会社ガートナー ジャパンが東京で開催した「ガートナー セキュリティ&リスク・マネジメント サミット 2017」で、Gartnerのリサーチディレクターであるマーク・ホーヴァス氏は、「従来のセキュリティ製品では、今日の洗練されたマルウェア攻撃を防げない」と言い切った。
マルウェア対策製品を例に取ると、従来の製品は、現段階で確認できるあらゆるマルウェアから具体的な特徴を抽出。それを基にマルウェアを判別する仕組みだ。ホーヴァス氏は、「(攻撃に応じて、ファイル特有のデータであるハッシュ値を変えた亜種を生み出すなど)従来のセキュリティ製品では検知できないほどのペースで新たなマルウェアが生まれ、その行動も種類も多様化してしまっている」と語る。Symantecは、2017年次のセキュリティレポートに、「2016年時点で、100種類の新たなマルウェアを確認した。この数字は、過去の3倍だ」と記した。
こうしたマルウェアから企業を守る期待を集めているのが、AI技術を活用したセキュリティ製品だ。ホーヴァス氏は、同様の製品を販売する世界のセキュリティベンダーの割合について、現在はほんの一部だと考えている。ただし、この割合は、2020年までに全体の半分近くまで成長する可能性があると同氏は話す。
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