ランサムウェア攻撃が後を絶たない中、身代金の支払いに関する被害組織の方針が変わっている。組織はなぜ、もはや身代金の支払いで解決しようとしなくなったのか。
ランサムウェア(身代金要求型マルウェア)攻撃が活発であることに変わりはないが、被害組織の動きにある変化が見られる。被害組織が以前のように進んで身代金を支払う時代は終わりつつある――。ブロックチェーン分析企業Chainalysisはそうみている。被害組織が身代金の支払いを拒否するようになった背景には何があるのか。
ランサムウェア攻撃を受けた場合の対処として一つの焦点になるのは、身代金要求に応じるかどうかだ。身代金の支払いはさらなる攻撃の温床になりかねないため、国が禁止すべきだと指摘するセキュリティ専門家もいる。そうした中でChainalsysisによると、2024年は身代金を支払わない被害組織が増加した。
Chainalysisによれば、その背景にあるのは、ランサムウェア攻撃者がダークWeb(通常の手段ではアクセスできないWebサイト群)で被害組織のさまざまな情報を開示していることだ。その事実が知られるようになったことで、被害組織は攻撃者を信用しなくなり、身代金の支払いに強い抵抗を示すようになったと同社はみている。バックアップといったランサムウェア攻撃への備えが整い、被害組織が攻撃者と交渉しやすい立場になったことも背景にあるという。
ただし身代金の支払いの減少は、組織にとって必ずしも朗報ではない。Chainalysisの脅威インテリジェンス責任者であるジャクリーン・バーンズコベン氏は「身代金支払いの減少が2025年も続くかどうかは分からない」と述べる。
バーンズコベン氏によると、攻撃者は新しい収益源を開拓するために、標的を大手や中規模の組織から、小規模の組織に拡大させつつある。「攻撃者は状況の変化に適応している。攻撃を受ける側の組織も常に警戒し、セキュリティの見直しを続ける必要がある」(同氏)
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