セキュリティ担当者としてより高い専門性を目指すのであれば、オンライン学習コースの受講がスキルアップのための手っ取り早い方法になる。どのようなコースがあるのか。
2025年4月、大半の組織で始まる新年度。フレッシュな気持ちでキャリアアップに挑むには絶好のチャンスだ。特にセキュリティ分野で、専門家のニーズが高まっている。高度な知識を身に付けて専門家としての道を開くには、オンライン学習コースの受講が有効だ。どのようなコースがあるのか。セキュリティ専門家に取材した中ら、お墨付きの「有料のセキュリティオンライン講座7選」を紹介する。
Internetwork Expert(INE)の学習コース「Skill Dive」はセキュリティのさまざまなテーマを取り上げ、インタラクティブに学べる。具体的には、サプライチェーン攻撃の仕組みや産業用制御システム向けセキュリティ、コンテナオーケストレーションツール「Kubernetes」関連のセキュリティなどがカバーされている。プレミアムサブスクリプションのプラン(年間利用料750ドル)では、トレーニングリソースと認定試験対策教材を無制限に利用できる。
「Cybersecurity for Managers: A Playbook」は企業の経営者やIT担当の管理職を対象にしている学習コースだ。マサチューセッツ工科大学(MIT:Massachusetts Institute of Technology)が提供している。ビジネスと技術の橋渡し役を務める人を想定し、両方の視点をカリキュラムに取り入れているという。受講するに当たり、技術的な知識の前提要件はない。
内容面ではセキュリティ戦略の策定やリスク管理、多層防御、プライバシー、米国立標準技術研究所(NIST)のセキュリティフレームワークなどを取り扱っている。受講者はセキュリティの主要な実装方法や、実装に当たっての優先事項の整理などを、実践を交えて学べる。このコースの期間は6週間で週5〜6時間。受講料は2950ドル(約43万円)。
Cybraryの学習コース「Cybrary Insider Pro」(CIP)は、キャリアアップしたいと考えているセキュリティ担当者や、セキュリティのしっかりした知識を身に付けたいと考えている新人を主な対象としている。組織での利用に特化した「Cybrary for Teams」もある。内容としては、新入社員のセキュリティ意識向上の他、長期的なセキュリティスキル強化などを図るためのコンテンツを提供している。受講者は7日間の無料トライアルを利用できる。CIP受講料は月額59ドル(約8700円)、年間588ドル(約8万6000円)。
ウェスタンガバナーズ大学(WGU:Western Governors University)WGUはセキュリティ業界でキャリアアップしたいと考えている人向けに、オンライン修士号プログラムを提供している。このプログラムのカリキュラムは、NISTなどさまざまなセキュリティ機関のフレームワークに準拠。どのくらいの期間で修了するかは自由だ。受講料は6カ月の場合、4655ドル(約68万円)。
メリーランド大学グローバルキャンパス(UMGC:University of Maryland Global Campus)はセキュリティのスキル向上を図りたいと考えている初心者や経験者向けのオンライン学習コースを提供している。UMGCは米国トップクラスのセキュリティ専門家と連携してカリキュラムを組んでいるので、受講者はそうした専門家との交流ができる。学習内容はデジタルフォレンジック(攻撃分析)、ソフトウェアセキュリティ、AI(人工知能)倫理、リスク管理などのトピックをカバーしている。学部課程の受講料は1単位当たり499ドル(約7万3000円)、大学院課程の受講料は659ドル(約9万7000円)。
Fullstack Academyの「Cybersecurity Analytics Bootcamp」は、脅威分析をはじめとしたセキュリティのブートキャンプ(集中学習コース)だ。コースは週32.5時間×12週間(フルタイム)と、週9時間×26週間(パートタイム)の2種類。ラボやグループ演習を通して、実践的な知識を身に付けられる。学習内容はセキュリティの基礎に加え、IT資産管理やネットワークセキュリティ、プログラミング言語「Python」に関連するセキュリティなど。このコースを受講するには、30分間の論理能力試験に合格する必要がある。受講料は1万1995ドル(約176万円)。
学習プログラム「National Centers of Academic Excellence in Cybersecurity」は、米国家安全保障局(NSA)の暗号化機関National Cryptologic Schoolが運営している。パートナーには、サイバーセキュリティインフラストラクチャセキュリティ庁(CISA)や連邦捜査局(FBI)といった米国連邦政府機関が含まれる。各種コースは、コンピュータサイエンスやコンピュータエンジニアリングに基づいた、高度な技術ノウハウを提供している。集中コースもある。受講料はコースや地域によって異なる。
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