「セキュリティ文化」のすすめ【中編】
セキュリティ製品の導入にとどまらず「なぜ」「どうやって」の説明に注力すべき理由
セキュリティリスクを高める大きな要因が「人間」だ。セキュリティ文化が根付いた企業は従業員教育に力を入れ、全員が高いセキュリティ意識を持つようにしている。では、具体的にどうすればいいのか。
セキュリティは、IT担当者だけではなく全従業員が責任を持つ――。サイバー攻撃が急増している中、企業でそのような「セキュリティ文化」を築くことが急務だ。セキュリティ文化を考えた前編「『退屈な研修』はもう古い 社員のセキュリティ意識を“楽しく”高める方法とは?」に続き、中編となる本稿は、従業員のセキュリティ意識を高めるための具体的な方法を紹介する。
併せて読みたいお薦め記事
セキュリティ製品の動向について
知っておきたいセキュリティの「落とし穴」
1.「現状に甘んじる」は禁物、先を見越して解決策を
世の中にはセキュリティを面倒なものと捉え、できる限り避けようとする企業が存在する。しかし当然ながら、セキュリティから逃げることではシステムの安全は保てない。セキュリティ文化がない企業は、セキュリティ以外の面でも問題を抱えている場合が大半だ。例えば、ランサムウェア(身代金要求型マルウェア)を防ぐための計画をうまく立てられない企業は、そもそも計画の能力が低いと言えるだろう。
企業がセキュリティに関して現状に甘んじている裏には、組織としての進化を目指さず、「ただ存在する」ことに満足してしまう姿勢がみられる。ここで注意すべきなのは、ただ存在するだけの企業は早かれ遅かれ、サイバー攻撃を受ける可能性が高いということだ。
強固なセキュリティに必要なのは、セキュリティチームがさまざまなデータを分析し、想定されるセキュリティ問題に対して事前に解決策を考えるという「先を見越したプロアクティブな動き方」だ。
2.ヒューマンエラーを防ぐために、従業員教育に注力
サイバー攻撃の発端になりがちなのは、ヒューマンエラーだ。人間は好んで間違いを犯すわけではない。従業員は通常、十分な教育を受けていないことからミスをしてしまう。以下に挙げるのは、よくある危険な行動だ。
- 疑わしいリンクや添付ファイルを開く
- VPN(仮想プライベートネットワーク)を利用せず公共の無線LANから社内システムにアクセスする
- 脆弱(ぜいじゃく)なパスワードを設定する
攻撃につながる従業員の行動はたいてい、企業側が十分なセキュリティ教育を提供していないことに起因する。
企業は従業員に対し、「何をすべきか」「何をすべきでないか」「ガイドラインに従うことがなぜ重要なのか」について明確な答えを示さなければならない。単にセキュリティツールを導入しても、背景の説明や利用の支援がなければ、あまり意味がない。企業は、従業員がセキュリティを守る理由を肝に銘じ、セキュリティツールの使い方を理解できるよう、手厚いサポートを用意することが重要だ。
効果的なセキュリティ研修を実施すれば、従業員は攻撃者の疑わしい行動に気付くためのマインドを持つようになる。研修は、特に決まった形式で実施する必要はない。定期的に送るニュースレター、チームミーティング、セキュリティの知識を測るテストなど、従業員を巻き込むものであればどのような形でもいい。
後編は、従業員のセキュリティ意識を実際の行動につなげるための方法を紹介する。
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