「オペレーショナルレジリエンス」とは何か【前編】
危機に強い「オペレーショナルレジリエンス」企業を実現する8つのチームとは?
災害時の「レジリエンス」(回復力)の拡張版として、サイバー攻撃などさまざまな危機を乗り越えるための「オペレーショナルレジリエンス」に注目すべきだ。どのようなものなのか。
世の中が激変している中、災害時に限らず日頃のビジネス活動でも「レジリエンス」(回復力)を高めることが重要だ。ビジネスのレジリエンスを意味する「オペレーショナルレジリエンス」を高めるには、各部門が連携して密に情報共有することが欠かせない。サイバー攻撃や市場環境の急変といった危機に直面した場合でも、企業は自社の製品やサービスに関わる全ての部門が一緒になって知恵を絞れば、そうした危機を乗り越えることができる。
「オペレーショナルレジリエンス」を支える8つのチーム
併せて読みたいお薦め記事
企業を狙ったランサムウェア攻撃は増えている
「レジリエンス」について詳しく
レジリエンスはもともと、災害に備えた事業継続計画(BCP)や災害復旧(DR)の分野で生まれた概念だ。BCPとDRでは、基本的に各部門が計画を作成して対策を講じる。オペレーショナルレジリエンスでは企業が一丸となり、部門の垣根を越えて復旧戦略を打ち出すのがポイントだ。
BCPとDRの担当者は、IT面の復旧に重点を置きがちだ。部門ごとに使うITツールが違うため、BCPやDRの取り組みは「サイロ化」(孤立)することになる。他方、オペレーショナルレジリエンスに必要なのはITツールだけではない。全ての関係者が膝を突き合わせて事業復旧に取り組む必要がある。
ビジネス活動を揺るがすきっかけとして、自然災害や火災、停電、ランサムウェア(身代金要求型マルウェア)をはじめとしたサイバー攻撃などがある。オペレーショナルレジリエンスは特定の危機に絞らず、“普遍的”な復旧計画を作ることが勘所だ。そのために、企業は下記で取り上げる全てのチームを結成する必要がある。
- 事業継続チーム
- 全ての事業部門から情報を収集し、それぞれが抱えているリスク、技術に対するニーズ、復旧活動のタイミングを横断的に把握する
- IT災害復旧チーム
- 実際に危機に直面している際、全てのITツールの復旧をコーディネートする
- インシデント管理チーム
- 危機を招く可能性のある出来事を初期段階で分析し、従業員の安全を確保するとともに、経営層や各事業部門のリーダーに状況を知らせる
- 危機管理チーム
- 事業部門の長期的な取り組みを統括する他、負傷した従業員の健康管理、外部組織や家族とのコミュニケーションを調整する
- IT/通信技術チーム
- IT災害復旧チームと連携し、全てのハードウェア、ソフトウェア、ネットワークを管理して、いち早く修復を目指す
- 施設管理チーム
- 建物、空調システム、電力設備、給水設備などを保護する
- 物理セキュリティ管理チーム
- 自社拠点への安全な経路を確保する
- サイバーセキュリティ管理チーム
- フィッシング詐欺やマルウェア感染、ランサムウェア(身代金要求型マルウェア)攻撃といった手口を想定し、社内システムを不正アクセスから守ってデータの流出や暗号化を防ぐ
後編は、オペレーショナルレジリエンスを実現する上での注意点をまとめる。
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
3
「Microsoft 365のセキュリティ運用」に関するアンケート
-
4
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
5
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
6
「Salesforceのテスト自動化ツール」に関するアンケート
-
7
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
8
IT製品の導入に関するアンケート「サーバ&ストレージ」編
-
9
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
10
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー