「セキュリティ文化」のすすめ【後編】
危険なミスをした社員を「褒める」ことこそセキュリティ向上につながるのはなぜか?
うっかり疑わしいメールや添付ファイルを開いてしまうなどセキュリティ事故を招く可能性のあるヒューマンエラーはどの企業でも起こる。被害を最小限に抑えるために、企業はどのような社風であるべきなのか。
企業で「セキュリティ文化」を築くためには、長期にわたる徹底した従業員教育が欠かせない。中編「セキュリティ製品の導入にとどまらず『なぜ』『どうやって』の説明に注力すべき理由」に続き、後編となる本稿は、従業員の“正しい行動”を促す方法やセキュリティツールの評価ポイントを取り上げる。
併せて読みたいお薦め記事
セキュリティ製品の動向について
知っておきたいセキュリティの「落とし穴」
3.“正しく行動する”従業員に「いいこと」を経験させる
短時間でセキュリティ文化を築くことはできない。そのため「セキュリティ研修を一度実施したら後は放っておけばいい」という姿勢を取るべきではない。継続的に取り組んでセキュリティ意識を企業文化に焼き付けなければならない。
セキュリティ意識を育てるために重要なポイントは、セキュリティを守るための行動は「いいこと」につながると従業員に伝えることだ。例えば、従業員が疑わしいリンクを開き、そのミスに気付いた場合を想定しよう。従業員は「罰せられるか、それとも気付いたことで褒められるのか」と考えるだろう。気付いたことで褒められる社風であれば、従業員はミスを報告しやすくなり、結果として企業は早い段階で対策を講じることができる。
一方で、従業員を非難したり罰則を与えたりすると、失敗を隠そうとする行動を招き、被害の拡大につながってしまう。従業員が自分の行動に責任を負わなくていいと言っているわけではない。ミスの報告を恐れなかった従業員をロールモデルとして、誤りを認めやすい社風を醸成することが重要だ。
誤りを事前に防ぐツールの活用も有効だ。多要素認証(MFA)や生体認証の技術を使ったツールを導入すれば、「ミスを犯して感染してしまう不安」から従業員を解放できる。
4.「何を学ぶか」の視点を取り入れてセキュリティ製品を評価
セキュリティ製品を導入しても、全従業員が「セキュリティのプロ」になることはない。セキュリティ製品は単なるツールにすぎないからだ。
むやみにセキュリティ製品を採用しても、それだけで企業のセキュリティが高まることはほとんどない。セキュリティ製品を評価する際は、頻繁にアラートが出ることや詳細なレポートを作成できることなどの機能面を調べることはもちろん重要だ。それに加え、セキュリティ製品の機能を使ってどのような学びがあるのか、従業員はどのような行動を取るべきかといった視点を踏まえ、自社のセキュリティ文化の発展に貢献するかどうかを検討してみることも非常に大切だ。
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