BYODの次は「BYOI」【前編】
「BYOI」とは? 端末だけじゃなくIDも「私物を職場で活用」の波
インターネットサービスへのアクセスを簡素化する「ソーシャルログイン」の動きが今、消費者から企業へと拡大し始めている。その中核要素となり得るのが、個人IDを職場で使う「BYOI」だ。どのようなものなのか。
ほとんどのオフィスワーカーは、「BYOD」(Bring Your Own Device:私物デバイスの業務利用)の言葉を知っているだろう。環境保護の意識が高まる中、近年は「ボトル」の頭文字を取った「BYOB」(Bring Your Own Bottle:飲み物持ち込み)も市民権を得つつある。では「BYOI」はどうだろうか。「Bring Your Own Identity」(個人IDの転用・仕事利用)を指し、最近、企業で採用が進んでいる。
「プライベートから職場へ」の動きは“あの面倒なこと”が後押し
われわれ“デジタル人間”はオンラインの世界で活動するために、あらゆるサービスにログインする際のIDが欠かせない。新しいサービスに自分のメールアドレスで登録すれば、メールアドレスがそのサービスのIDになる。このことはBYOIに当てはまる。
消費者向けWebサービスの中には、初回利用時にAppleやGoogle、Facebookといったサードパーティーのサービスで使っているID/パスワードを利用できるようにしているものがある。この機能は「ソーシャルログイン」と呼ばれ、この機能の活用もBYOIの一種だ。ソーシャルログインを利用すれば、消費者は覚えなければならないパスワードの数を減らすことができる。パスワードが流出しても、1回の再設定で安全対策を講じることができるのも便利だ。
ソーシャルログインをはじめとするBYOIはこれまで、主にプライベートのインターネット利用で使われていた。ここにきて、職場でもBYOIを活用する動きが加速化している。従業員が社内システムにアクセスするために、一度の認証で複数のシステムを利用できるシングルサインオン(SSO)を導入している企業は珍しくなくなった。SSO導入企業では、従業員は朝、1回のログインでメールやファイルサーバなど複数のシステムを利用できる。
従業員はSSOの“守備範囲”を超え、外部システムにアクセスすることもある。例えば企業年金の残高を確認したり、医療機関の予約をしたりするために、金融機関や健康保険組合といった外部システムにログインしなければならない。こうした場合に1日数回のログインが必要になり、面倒だと感じている従業員は少なくない。
後編は、BYOIを導入する際のポイントを紹介する。
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