User Enrollmentで実践、iOS/iPadOSデバイスのBYOD【前編】
私物iPhone/iPad管理を楽にする「User Enrollment」とは?
Appleの「User Enrollment」(ユーザー登録)は、「iOS」「iPadOS」端末のBYODに役立つ可能性がある。企業データと個人データの明確な分離を実現するUser Enrollmentの主要機能は。
仕事とプライベート兼用の「iPhone」「iPad」を企業が管理する必要があるときは、Appleのデバイス管理機能である「User Enrollment」(ユーザー登録)が役立つ。User Enrollmentは、「iOS 13」と「iPadOS 13.1」に組み込まれた比較的新しい機能だ。IT管理者はUser Enrollmentにより、仕事とプライベート兼用のiPhone(「iPod touch」を含む)やiPad内で、企業データと個人データを明確に分離できる。BYOD(私物デバイスの業務利用)を採用する企業は、従業員の私物iPhone/iPadや、個人利用を許可している企業所有のiPhone/iPadなどの管理にUser Enrollmentを使える。
User Enrollmentで何ができるか
User Enrollmentは、Appleの主要サービスを企業利用するための専用アカウント「Managed Apple ID」(管理対象Apple ID)を利用して、プライベートにも使われる仕事用iPhone/iPadに対するプライバシー重視の管理を実現する。ユーザーは個人用のApple IDと同様に、管理対象Apple IDを用いてiPhone/iPadやAppleサービスにサインインする。
管理対象Apple IDは基本的に、個人用のApple IDのビジネス版だ。企業が所有し、IT管理者が管理する。IT管理者はデバイス管理ツール「Apple Business Manager」を使って、管理対象Apple IDに対して必要な管理操作ができる。
User Enrollmentは管理対象Apple IDを用いて、企業データと個人データを明確に分離する。企業のアプリケーション、データ、サービスへのアクセスには管理対象Apple IDを利用し、個人のアプリケーション、データ、サービスへのアクセスには個人用のApple IDを利用する仕組みだ。これらの異なるアカウントがやりとりすることはない。
IT管理者がモバイルデバイス管理(MDM)ツールにiPhone/iPadを登録する際、登録方法にUser Enrollmentを選択すると、User Enrollmentは各デバイスに独立したボリュームを自動的に作成。アプリケーション、メモ、カレンダー添付ファイル、メールなどを格納する。IT管理者は各デバイスを管理する際、管理対象Apple IDと関連付けられた部分だけを制御できる。
管理対象Apple IDは、各デバイスのローカルのアプリケーションストア「App Store」に関連付けられていない。そのためIT管理者がそのiPhone/iPadにアプリケーションを展開したい場合は、法人向けアプリケーション一括購入プログラム「Volume Purchase Program」(VPP)とユーザーライセンスを利用して、アプリケーションを私物デバイスや企業所有デバイスに配備しなければならない。
IT管理者は、Apple Business ManagerとMicrosoftのID・アクセス管理サービス「Azure Active Directory」(Azure AD)を連携させることで、Azure ADのID/パスワードを管理対象Apple IDとして使えるようにすることもできる。この組み合わせを利用すれば利便性は非常に向上する。ユーザーはデバイスとシステム全体で同じ認証情報が使えるからだ。
後編はUser Enrollmentの他のメリットと、MicrosoftのMDMツール「Microsoft Intune」でのUser Enrollmentの適用例を解説する。
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