市場は成長も長期的には鈍化の懸念
「5G」スマホ新興市場で「Android」が「iPhone」に“圧勝”の理由
高速で遅延の少ない「5G」による通信が可能なスマートフォンは、2025年にかけて大きく売上高を伸ばす見込みだ。特に「Android」スマートフォンが成長のけん引役になるとの見方がある。その理由は。
「5G」(第5世代移動通信システム)ネットワークに接続できるスマートフォンは、2025年までにスマートフォン販売売上高の過半数を占める見通しだ。調査会社Juniper Researchの調査レポート「5G Smartphones: Trends, Regional Analysis & Market Forecasts 2021-2026」によると、5Gスマートフォンの売上高は2021年の1080億ドルから2025年までに3370億ドルに達する可能性がある。
5Gスマートフォン新興市場は「Android」が独占か その理由は
特に成功を収める可能性があるのは、価格面での競争力を保ち続けるベンダーだ。低価格帯の機種の供給を増やすことは、新興市場でベンダーが5Gスマートフォンの普及を促すために欠かせない原動力になるとJuniperは指摘。そうした背景から5Gスマートフォンの低価格化が進むとみる。
「Android」スマートフォン市場ではさまざまなベンダーがしのぎを削っており、新興市場向けの低価格機種も豊富だ。そのため「iOS」搭載のスマートフォン「iPhone」と比べて、Androidスマートフォンの価格は全体的に安価になる傾向がある。2025年までに、Androidスマートフォンの価格はiPhoneの価格より65%安くなると同社は予想する。
平均価格の値下がりに伴い、中南米などの5G市場はAndroidスマートフォンの独占状態になる見通しだ。対照的に、先進国の市場ではiPhoneの人気が根強い。Juniperは2025年までに世界の5Gスマートフォン売上高の40%を北米と欧州が占めるようになると予測する。
Juniperは北米と欧州で「修理する権利」(注1)を認める動きが広がっていることにより、5Gスマートフォンの出荷数や売上高の増加は限定的になるとの見通しを示す。新しい世代の機種にアップグレードするよりも、古い機種を修理する方を選ぶ動きは広がっている。
※注1:電子機器や自動車などを消費者自身で修理する権利のこと。米国では、連邦取引委員会(FTC)が2021年7月、メーカーが自社製品にかける修理制限に対する法執行を強化すると発表した。
今回のJuniperの調査レポート以前にも、5Gの影響が既に世界中のスマートフォンユーザーに及んでいることを示す調査結果はあった。通信事業者Ericssonが2021年5月に発表した調査結果は、スマートフォン利用行動の変化にスポットを当てていた。調査結果によると、5Gのメリットを理由に、スマートフォンを屋内で使う際の無線LAN使用を減らしている5Gユーザーは既に5人中1人に上る。
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