DisneyとAmazonの提携で生まれた新サービス
ミッキーマウスが音声アシスタントに Alexaベースの「Hey Disney!」の仕組み
DisneyはAmazonとの提携で音声アシスタント「Hey Disney!」を開発し、「Walt Disney World Resort」のホテルに導入する。誕生の鍵となったのは「Alexa Custom Assistant」というホワイトラベルサービスだ。
Walt Disneyは2021年9月にAmazon.comとの提携を発表。Amazon.comの技術をベースに開発した独自の音声アシスタント「Hey Disney!」を、米国フロリダ州オーランドにある「Walt Disney World Resort」のホテルに、2022年に導入する計画を明らかにした。宿泊客がホテルに設置されたスマートスピーカー「Amazon Echo」に「ヘイ、ディズニー!」と話し掛けてると、Amazon Echoはミッキーマウスや、『ファインディング・ニモ』のドリーなどのDisneyキャラクターの声で応答する。宿泊客はHey Disney!を使って、タオルの交換から、テーマパーク「EPCOT」への行き方検索まで、さまざまなことをリクエストできるようになる。
Hey Disney!の気になる仕組み 実現の鍵「Alexa Custom Assistant」とは
併せて読みたいお薦め記事
音声アシスタント「Alexa」の注目トピック
Amazon.comは、音声アシスタント市場で競合するAppleやGoogleとは異なり、自社の音声アシスタント「Alexa」の技術に基づくホワイトラベル(注1)のサービス「Alexa Custom Assistant」を提供している。Hey Disney!にAlexa Custom Assistantを活用することで、Disneyは宿泊客にAlexaではなくDisney独自の音声アシスタントに話し掛けてもらうことが可能になり、Disneyブランドを前面に押し出せる。これは「ブランド価値を高める上で重要だ」と、調査会社IDCのアナリスト、アダム・ライト氏は指摘する。
※注1:ある企業が独自開発した製品やサービスを、他の会社が自社ブランドとして販売できるようにすること。
Walt Disney World Resortのホテル宿泊客は、Hey Disney!でルームサービスを注文したり、客室の備品やアメニティーについて尋ねたり、パークの開園時間やイベント予定を問い合わせたりできる。ホテルスタッフは音声アシスタントのおかげで、よくある質問に答える時間を節約できるようになる。
Disneyはこれまでもパークでさまざまな新技術を実験しており、2014年にはリストバンド型デバイス「MagicBand」を導入した。入園者はこのデバイスをホテルのルームキーとして使うことができる。クレジットカードの代替として、商品の購入代金を支払う際に使用することも可能だ。
Hey Disney!が使えるのはホテル宿泊者だけではない。米国では2022年からAmazon Echoシリーズの購入者は、それがサポート対象モデルならばマーケットプレース「Alexa Skills Store」からHey Disney!を購入して使えるようになる。Hey Disney!は、人気のあるDisneyキャラクターの声でジョークを言ったり、物語を話して聞かせたりといったさまざまな機能を提供する。ただしHey Disney!の販売価格は現時点で不明だ。
音声アシスタントはここ数年、普及が進んでいる。調査会社Insider Intelligenceのデータによると、2020年に米国では少なくとも月に1回、約1億2800万人が音声アシスタントを使っている。これは2019年(約1億1520万人)と比較して約11.1%の増加となる。調査会社Gartnerは、2025年までにナレッジワーカーの50%が、仮想アシスタントを日常的に使うようになると予想している。2019年にはこの割合は2%だった。
調査会社Constellation ResearchのCEOであるR・レイ・ワン氏は、今後もDisneyとAmazon.comの提携と同様の事例が出てくると予想する。Googleはこれまで、スマートスピーカー「Google Nest」で使っている音声アシスタント「Google Assistant」を、ホワイトラベルとして提供しようとしなかった。Appleも音声アシスタント「Siri」について同様の姿勢を取ってきた。DisneyとAmazon.comの提携が成功すれば、この状況は変わる可能性がある。
「DisneyとAmazon.comの提携は、コンテンツ、ネットワーク、技術基盤が結び付いた好例だ」とワン氏は説明する。具体的には、Disneyはコンテンツを、Amazon.comは技術を提供しており、両社は顧客ネットワークを組み合わせている。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社MatrixFlow] 「物流リソース最適化」ガイド:人員・配車・傭車を出庫依頼の確定前に決めきる -
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
2
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
3
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
4
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
5
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
6
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
7
「結局使わなくなる」Microsoft 365 Copilotを半年で定着 キリンの3施策
-
8
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
9
「中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティ運用実態」に関するアンケート
-
10
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー