「モバイルセキュリティポリシー」策定が企業を守る【中編】
「モバイルセキュリティポリシー」、これだけは外せない基本要素とは
いざ「モバイルセキュリティポリシー」を策定しても、必要な要素が網羅されていなければ意味がない。盛り込むべき要素6つのうち3つを紹介する。
企業活動において、スマートフォンをはじめとした従業員が使うモバイルデバイスに関するセキュリティ低下の懸念が高まっている。そのため、企業のIT部門はモバイルデバイスのセキュリティ要件を定義する「モバイルセキュリティポリシー」と、「BYOD」(Bring Your Own Device:私物端末の業務利用)のポリシーに注目している。昨今、企業のIT部門において、変化する脅威とITの進歩に合わせて、これらのポリシーを変更する傾向が見られる。
併せて読みたいお薦め記事
モバイルデバイス管理関連の注目記事
モバイルセキュリティポリシーの概要を解説した前編「企業が『モバイルセキュリティポリシー』を軽視してはいけない法的理由」に続いて、中編となる本稿は、企業がモバイルセキュリティとBYODのポリシー策定時に押さえるべきポイントを紹介する。
企業がモバイルデバイスに関するポリシーを策定する際は、次の要素を含めることが望ましい。
- モバイルセキュリティポリシー
- BYOD、「CYOD」(Choose Your Own Device:従業員による会社支給端末の選択)、「COPE」(Company Owned, Personally Enabled:会社支給端末の私的利用許可)、「COBO」(Company Owned, Business Only:会社支給端末の私的利用禁止)の運用ポリシー
- モバイルデバイスの利用規定
モバイルセキュリティとBYODの具体的なポリシーは?
モバイルセキュリティとBYODのポリシーに含めるべき要素は、各企業の要件とモバイルデバイスのセキュリティ戦略に基づいて異なる場合がある。一般的なBYODポリシーは、以下の6つの要素を含む。以降で詳細を解説する。
- ポリシーの簡単な紹介
- 企業が許容するモバイルデバイスの使い方
- セキュリティ要件
- 利用できるモバイルデバイスの種類とITサポート(後編で解説)
- 免責事項および従業員が負う責任(後編で解説)
- 企業所有のモバイルデバイスを使う場合の注意点(後編で解説)
要素1.ポリシーの簡単な紹介
ポリシーの目的やポリシーの対象となるモバイルデバイス、ポリシーの要件を満たさなかった場合の対処を記載する。
例:「当社は、従業員に個人のスマートフォンやその他のモバイルデバイスを職場や仕事の目的で購入または使用する機会を与える。当社は、従業員がモバイルデバイス利用の手順とポリシーに違反した場合、職場および仕事関連の活動のために個人用デバイスを使用する特権を取り消す権利を留保します」
要素2.企業が許容するモバイルデバイスの使い方
従業員がモバイルデバイスを使用してネットワークに接続したり、企業が保有するデータにアクセスしたりするときなどに、従業員が取るべき行動を説明する。次のような内容が含まれる。
- 従業員は業務に関するデータにアクセスするときに、アクセスに使うアプリケーションを常に最新の状態に保つ
- モバイルデバイスは、解除時にパスコードを要求する画面ロック、データの暗号化などの基本的なセキュリティ機能を使用する
- 従業員は、違法と見なされるWebサイトやコンテンツにアクセスしてはならない
- 従業員は、車の運転中や機械の操作中に、モバイルデバイスを利用してはならない。またこれらの作業中に、企業ネットワークにおいてコンテンツを共有してはならない
要素3.セキュリティ要件
企業がアプリケーションとデータを適切に保護できるように、モバイルアプリケーション管理ツールに関する要件を含める。モバイルデバイスを仕事関連の活動に使用したり、他社とデータをやりとりしたりするためにIT部門が必要とするセキュリティ構成についても説明する。次のような具体例がある。
- IT部門は、従業員がモバイルデバイスのファームウェアとOSを最新の状態に保ち、モバイルデバイスにマルウェア対策を採用していることを確認する
- IT部門は従業員に対し、適切な文字数で構成される強力なパスワードをモバイルデバイスに設定するよう要求する
- IT部門は従業員に対し、企業が保有するデータへアクセスするモバイルデバイスに、違法または海賊版のソフトウェアをインストールすることを禁止する
後編は、モバイルセキュリティポリシーとBYODポリシーを策定する際に盛り込むべき要素のうち残りの3つを紹介する。
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノ
ウハウなどを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣 -
製品資料
[サイボウズ株式会社] AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
3
【漫画付き】ひとり情シス協会が明かす、RAG導入でしくじる企業「2つの共通点」
-
4
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
5
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
6
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
7
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
-
8
BMWも導入 78兆円市場に化ける「フィジカルAI」の衝撃
-
9
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
10
「AI活用を前提とした業務PCへの移行」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー