AI技術で子宮頸がんと闘うGoogleとHologic【後編】
医師よりも高精度――Googleが「AIがん診断」に抱く自信と“2つの願い”
Googleは医療機器メーカーHologicと共に、AI技術による子宮頸がん診断支援システムの共同研究を進めている。このプロジェクトが目指すものと、両社の技術提携で生まれた診断アルゴリズムの評価は。
前編「子宮頸がんを『AI』で撲滅へ Googleと医療機器メーカーの挑戦とは」に続き、後編となる本稿も、2021年10月開催のオンラインカンファレンス「Google Cloud Next '21」のセッション内容を基に、Googleと医療機器メーカーHologicが共同で取り組んでいる、AI(人工知能)技術に基づく子宮頸(けい)がん診断支援システムを紹介する。
「当社が既に取り組んでいる幾つかの共同研究では、人間の専門医よりもAIモデルの方が高い精度で病変を診断する可能性を示すことができた」。Googleの医療技術戦略・ソリューション部門でグローバルリードを務めるアリッサ・リンチ氏は、こう語る。
「医師よりも高精度」なAIがん診断でGoogleが目指す2つのポイント
併せて読みたいお薦め記事
ヘルスケア分野での人工知能(AI)活用
Googleはノースウエスタン大学(Northwestern University)との共同研究で、AI技術に基づくサポートによって、乳がんの診断プロセスにおける待機期間(初回の検査から2回目のフォローアップ検査までの期間)を短縮できるかどうかを検証。Verily Life Sciencesとの共同研究では、糖尿病性の眼疾患を診断するアルゴリズムを開発した。Verily Life Sciencesはもともと、Googleの親会社Alphabetのライフサイエンス部門だった研究組織だ。
子宮頸がん検診の大幅な改善を目的とした共同プロジェクトについて、GoogleとHologicが重点を置いていることは2つある。子宮頸がん検診の重要性を強調することと、社会背景や経済環境に関係なく利用できる子宮頸がん検診技術を生み出すことだ。
Hologicのがん診断支援システム「Genius Digital Diagnostic」は、Googleのクラウドサービス「Google Cloud Platform」(GCP)をバックボーンとして利用している。診断支援アルゴリズムはGCPの機械学習(ML)技術に基づいており、GCPの基幹通信網が世界中のデータの整理、処理、アクセスを支援している。
GoogleとHologicは新たな診断方法を模索するために一丸となって研究に取り組んだ。1細胞レベルの解析をするHologicの診断アルゴリズムを改良するに当たって、両社はGoogleのAI技術を活用した。
Hologicで研究開発・イノベーション部門のバイスプレジデントを務めるマイケル・クイック氏の説明によれば、GoogleとHologicはAIモデルの検証に2つの異なる臨床データセットを使用した。この検証の結果「標準医療を提供できるほどの十分な医療インフラが整っていない環境であっても、診断支援ツールは人間の医師による診断精度に匹敵するだけのデータを提供できる可能性が示唆された」とクイック氏は語る。
この研究結果からは、さらに高度なAI技術の必要性も判明している、とクイック氏は補足する。「Googleとの提携によって、Genius Digital Diagnostics向けの新たな技術を開発する。子宮頸がんの撲滅に役立つ手段を増やす上でプラスに働く」(同氏)
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
技術文書・技術解説
[Jamf Japan 合同会社] MDMだけでモバイルセキュリティは十分? 不足する対策を16項目でチェック -
事例
[Wrike Japan 株式会社] 世界的な家電メーカーが実践する「クリエイティブプロセス効率化」の方法とは? -
事例
[Wrike Japan 株式会社] 世界的テクノロジー企業に学ぶ、プロセス標準化とプロジェクト納品自動化の秘訣 -
事例
[Wrike Japan 株式会社] ソニー・ピクチャーズ テレビジョンに学ぶ、次世代サービスデリバリーのヒント -
事例
[Wrike Japan 株式会社] ソミック石川に学ぶ、ICT浸透後に直面した「工数管理」の課題と解決策
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
脱VMwareの前提が崩れる BroadcomのVDDK公開停止で確認すべき点
-
2
AI全部入り「Microsoft 365 E7」に企業が二の足を踏む訳 移行意向はわずか4%
-
3
「Microsoft 365」が乗っ取られる 跡形もなくMFAを破る手口
-
4
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
5
「VMware離れ」は本当か 3000社がVCF 9にかじを切った現実的な理由
-
6
「Microsoft一択」で本当にいいのか 知らぬ間にライセンス費用が膨らむ真相
-
7
なぜOpenAIやAnthropicのAIは「脱走」したのか 情シスが迫られるエージェント統制
-
8
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
9
Anthropicが明かす AIは入力データを「どこまで覚えているのか」
-
10
HDDではもう限界? AIのGPU待機時間を解消する「大容量SSD」の条件
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
生成AIのハルシネーションを防止 回答精度を高めるセマンティックレイヤーとは
-
2
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
3
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
4
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
5
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
6
マンガで解説:「ゼロトラスト」「SASE」の必要性とメリット
-
7
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
8
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
-
9
国税庁の次世代基幹システム「KSK2」稼働開始に向けて、対応すべき変更点とは?
-
10
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー