Googleと医療機器メーカーHologicは、AI技術ベースの子宮頸がん診断支援システムを共同開発した。「子宮頸がん撲滅」のために両社が目指すビジョンは。
Googleは医療機器メーカーHologicは共に、AI(人工知能)技術に基づく子宮頸(けい)がん診断の新たな手段創出に取り組んでいる。Hologicは2020年にがん診断支援システム「Genius Digital Diagnostic」を発表した。これは細胞検査士や病理医のための細胞診支援システムだ。3次元医用画像技術とAIアルゴリズムを組み合わせて、子宮頸がんをはじめとする女性特有のがんの異常細胞を識別する。
世界保健機関(WHO)は2020年11月に、子宮頸がん撲滅のためのグローバル戦略を発表した。この目標達成に向けて、GoogleとHologicは2021年2月に、子宮頸がん検診の大幅な改善を目的とした複数年に及ぶ戦略的協力契約を締結した。この協業に基づき、両社はGoogleのクラウドサービス群「Google Cloud Platform」(GCP)の機械学習(ML)技術と、HologicのGenius Digital Diagnosticとの連携を進めた。
Hologicで研究開発・イノベーション部門のバイスプレジデントを務めるマイケル・クイック氏は、2021年10月開催のオンラインカンファレンス「Google Cloud Next '21」のセッションで次のように述べた。「Genius Digital Diagnosticはスクリーニング検査のプロセスを抜本的に変える。細胞検査士や病理医は子宮頸がんと闘うための新たなツールを手に入れることになる」
「医師不足の場所に医療を提供し、より多くの患者が医療を受けられるようにするための取り組みだ」。Googleの医療技術戦略・ソリューション部門でグローバルリードを務めるアリッサ・リンチ氏は、GoogleとHologicのパートナーシップについて、こう説明する。
医用画像データを、よりアクセスしやすく、相互運用性が高く、実用的にする。それにより疾患の発見と診断に大きな変革をもたらし、人々の生活を向上させる――。「われわれが目指すのはこのような世界だ」とリンチ氏は述べる。
後編は、AI技術を使った子宮頸がん診断支援システムの開発において、GoogleとHologicが重視したポイントを解説する。
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