Microsoftは「Teams」で利用可能な電話サービスを充実させようとしている。その肝となるのが、通信事業者向け支援プログラム「Operator Connect Accelerator」だ。その中身は。
Microsoftは、通信事業者が自社の電話サービスをユニファイドコミュニケーション(UC)システム「Microsoft Teams」(以下、Teams)で利用できるようにするための支援を強化している。2022年4月、同社は「Operator Connect Accelerator」を開始した。Operator Connect Acceleratorは、Teamsで公衆交換電話網(PSTN:Public Switched Telephone Network)の電話サービスを利用可能にする「Operator Connect」(オペレーター接続)の普及に向けた、通信事業者向け支援プログラムだ。
Operator Connect Acceleratorにより、MicrosoftはTeamsで利用可能な電話サービスを増やすことを狙う。Teamsのユーザー企業は電話サービスの選択肢が増えれば、より有利な条件で電話サービスを契約できるようになる可能性がある。
インテグレーター(システムやネットワークの構築会社)の力を借り、通信事業者がOperator Connectを利用する際のハードルを下げることが、Operator Connect Acceleratorの目的だ。インテグレーターはAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)を開発したり、ゲートウェイ装置である「セッションボーダーコントローラー」(SBC)をサービス型で提供したりして、通信事業者が電話サービスをTeamsで利用可能にするのを支援する。Operator Connect Acceleratorに参加しているインテグレーターはAudioCodes、NuWave Communications、Ribbon Communications、SIPPIOなど。
Teamsの研修サービスを手掛けるEmpowering.Cloudの創業者、トム・オーブスナット氏によれば、MicrosoftはOperator Connect Acceleratorによって2種類の企業の需要に応えることを目指している。Operator Connectを使いたいが技術面のハードルが高い通信事業者と、コミュニケーションシステムの見直しに取り組んでいるTeamsのユーザー企業だ。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)を受けて、Teamsの利用を始めたユーザー企業は少なくない。こうしたユーザー企業がこぞって、従来の電話システムを一掃してコミュニケーションシステムをTeamsに一本化させるプロジェクトを進めていると、オーブスナット氏は説明する。
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