ソフトウェア開発者に朗報?
「Microsoft Teams」がLinuxで利用可能に 背景には「Slack」との競争
Microsoftは「Microsoft Teams」のLinux版の提供を開始した。昔は競合するソフトウェアやOSに対して排他的な傾向にあった同社が、LinuxユーザーにTeamsを提供するのはなぜなのか。
Microsoftは2019年12月、チームコラボレーションサービス「Microsoft Teams」の「Linux」版クライアントソフトウェアを公開した。これによりソフトウェア開発者へのTeamsの普及を促進する狙いだ。
クライアントOSとしてLinuxを利用して仕事をすることを好むソフトウェア開発者は少なくない。TeamsはこれまでLinuxで利用できなかったが、競合サービスの「Slack」は何年も前からLinuxで利用できる。
「私が調査した中で、SlackとTeamsの両方を運用している企業の多くでは、ソフトウェア開発者がSlackを使っている」と、調査会社Nemertes Researchのアナリスト、アーウィン・ラザー氏は語る。TeamsのLinuxクライアントの登場で、企業の間でTeamsの全社展開が進む可能性がある。
TeamsのLinuxクライアントは、通話やビデオ会議を含むTeamsの主要機能を搭載する。ただし一定の制約もある。例えば会議のときに便利な管理機能が、「Windows」や「macOS」向けクライアントほど充実していない。
それでもTeamsのLinuxクライアントの提供は、同社にとって重要な戦略だ。MicrosoftはTeamsについて「Linuxデスクトップで使える初の『Office 365』アプリケーションだ」と言及している。ただし同社は、Linux対応アプリをさらに投入するのかどうかについては明らかにしていない。
競合OSに排他的なMicrosoft、方向転換の理由は
Microsoftは長年、競合OSに対する排他的な姿勢が批判されてきた。米国政府は1990年代後半に、Webブラウザ「Internet Explorer」のWindowsへのバンドルを巡って、同社に対する訴訟を起こした。しかし近年、同社はオープンソースソフトウェアのコミュニティに積極的に参加するようになっている。
Teamsのリリース以来、ユーザーはMicrosoftにLinuxクライアントの投入を求めてきた。2016年に同社のユーザーフィードバックWebサイトに、TeamsのLinuxクライアントの提供を要望する投稿が寄せられると、1万件以上の「いいね」と1800件のコメントが集まった。
多くのユーザーがフィードバックを通して「MicrosoftがTeamsのLinuxクライアントをリリースするまで、Slackを使い続ける」と同社に伝え続けた。こうした意思表明が功を奏し、Microsoftは、Linuxに目を向ける価値があると考え直したようだ。同社はSlackとの競争を、Teamsの優先課題だと位置付けている。
Microsoftは、Teamsのユーザー数がSlackを超えるまで、Teamsのユーザー数の発表を見合わせていたように見える。同社が2019年11月にTeamsのユーザー数を発表した際には、TeamsとSlackの普及状況を比べた棒グラフも提示する念の入れようだった。この発表によると、Teamsの1日当たりのアクティブユーザー数は2000万人を突破している。これに対し、Slackは1300万人となっている。
Slackはこの発表を受け、同社の大口顧客50社のうち約70%が、Teamsを含むOffice 365の月額課金ユーザーであることを繰り返し強調している。
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