ある医療IT専門家は、音声認識と機械学習が医療業界に重要な影響を与える技術になると予測する。その理由とは。
米国のがん研究施設Beth Israel Deaconess Medical Centerで開催されたイベントで、医療IT専門家のジョン・ハラムカ氏は医療関係者や学生、医療起業家に対して医療ITの未来について話した。ハラムカ氏は、Harvard Medical School(ハーバード大学医学部)教授、救急実務医などのさまざまなキャリアを持つ。
ハラムカ氏はジョージ・W・ブッシュ政権とバラク・オバマ政権の両方での医療IT戦略担当者を経て、現在はBeth Israel Deaconess Medical Centerを含む医療グループBeth Israel Lahey Healthの取締役として、医療イノベーション(技術革新)に取り組んでいる。
講演の中でハラムカ氏は、医療機関がコンピュータへの入力手段をキーボードから音声認識にどのように移行するかについて話した。音声認識や機械学習は、医療ITにイノベーションを起こす可能性がある技術の一つだ。
対話機能を使用してユーザーを助ける音声アシスタントは、多くの患者にとって有用だ。音声アシスタントは、錠剤を次にいつ服用するかを患者に伝えたり、患者が訴える症状に基づいて適切な医療機関の連絡先情報を提供したりするなどの基本的なタスクを実行できる。
音声認識技術は患者だけを対象とするものではない。電子医療記録の記入は「医師にとって作業負荷が高い」とハラムカ氏は述べる。そのため同氏は、音声で電子医療記録を入力するための製品を開発するスタートアップ(創業間もない企業)に注目している。こうした製品は、診療での患者と医師の会話内容を自動的に電子医療記録に入力し、医師が後で編集できるようにする。このようなスタートアップには、Nuance CommunicationsやSuki AIなどが挙げられる。
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