GitHubのCEOが語る未来【第6回】
「GitHub」が“単なるリポジトリ”を超えて開発者に使われるのはなぜ?
アプリケーション開発分野において、「GitHub」はソースコード共有サービスとして一定の地位を築いている。GitHub社が続けてきた機能拡張の根底にある信念を、同社のCEOが語る。
ソースコード共有サービスを運営するGitHub社(2018年にMicrosoftが買収)のCEO、トーマス・ドームケ氏は、AI(人工知能)技術が開発者を支援することに期待を寄せている。同社が提供する、AI技術を活用したソースコード自動生成ツール「GitHub Copilot」は、ドームケ氏がそうした期待を込めるツールの一つだ。GitHub Copilotをはじめ、GitHubが開発者を支える存在として何を目指してきたのかを同氏に聞いた。
開発者に寄り添うことの大切さ
併せて読みたいお薦め記事
連載:GitHubのCEOが語る未来
- 第1回:“AIの在り方”を語るGitHubのCEOが「顧客との対面」にこだわる理由
- 第2回:GitHubのCEOが“東京やシンガポールの開発者”と面会した目的は?
- 第3回:オープンソースが「世界の共通言語」になれる“他にはない”理由
- 第4回:“ChatGPTみたいなAIツール”で開発はがらっと変わる? あるCEOが想像する未来
- 第5回:「AIで開発者が不要になる」とは言い切れない理由と、開発者がする仕事とは?
GitHubの動向
―― GitHub社の戦略についてお聞きします。2018年にMicrosoftがGitHub社を買収してから、さまざまな変化が生じました。GitHub Copilot、オンライン開発環境「GitHub Codespaces」などを備え、単なるソースコード共有サービスを超えた存在になっています。GitHubの進化について、どのように考えていますか。
ドームケ氏 素晴らしい質問だ。確かにGitHubの始まりはソースコード共有サービスだ。それはGitHubの「Git」に当たる(注)。サービス開始当初から、われわれはオープンソースプロジェクトのソースコードホスティングサービスを開発者に無料で提供していたし、プライベートプロジェクトにも無料で提供していた。
※注:Gitはバージョン管理ツールであり、複数の人による同一ソースコード群の管理を可能にする。
アプリケーション開発が複雑になるにつれ、開発者はより多くのタスクをこなさなければならなくなった。当社は開発者を第一に考える必要がある。つまり開発者がアプリケーションを構築するために必要な全情報を、ソースコードが置かれている場所、つまりGitHubで入手できるようにしなければならない。
もし必要な情報を得るために、ソースコードリポジトリ以外の場所を訪れなければならないのであれば、開発者は全く訪れないか、3カ月に1度程度しか訪れないだろう。サイバーセキュリティやデータレジデンシー(データの保存場所)に関するコンプライアンス要件を考えると、この状況は継続させるべきではない。アプリケーションの設計プロセスを通じて、全ての必要な情報をGitHubで入手できるようにしておく必要がある。
そこで「開発者ファースト」を実現するために、われわれはGitHubに足りない機能は何かを考えた。2018年にはCI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)ツール「GitHub Actions」を発表し、GitHubのリポジトリに対して開発者がさまざまなタスクを自動実行できるようにした。
第7回は、GitHubのクラウドサービスを活用した展望をドームケ氏に聞く。
Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術
米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社MatrixFlow] 「物流リソース最適化」ガイド:人員・配車・傭車を出庫依頼の確定前に決めきる -
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
2
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
3
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
4
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
5
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
6
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
7
「結局使わなくなる」Microsoft 365 Copilotを半年で定着 キリンの3施策
-
8
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
9
「中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティ運用実態」に関するアンケート
-
10
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー