GitHubが「master」ブランチを「main」ブランチに変更した深い理由GitHub「デフォルトブランチ名変更」の影響【前編】

「GitHub」が新規作成リポジトリのデフォルトブランチ名を「master」から「main」に変更した。その背景には、差別的な言葉をなくそうとする世界的な動きがある。

2021年02月14日 10時30分 公開
[Carolyn HeinzeTechTarget]

 分散型バージョン管理システム(DVCS)の「Git」は誕生以来、ファイルやディレクトリの状態を保存する「リポジトリ」内にある「デフォルトブランチ」の名前を「master」に設定してきた。デフォルトブランチは、リポジトリ内で作業履歴の分岐を可能にする「ブランチ」のうち、リポジトリの作成時から存在するブランチのことだ。

 開発者が明示的な操作によって削除しない限り、Gitの全てのリポジトリにmasterブランチがあった。もっとも開発者がmasterブランチを削除することはめったになかった。ほとんどのソフトウェア開発プロジェクトでは、masterブランチは信頼できる情報源(Source of Truth)だ。masterブランチでは基本的に、機能する全てのコードがテストを経て本番環境にプッシュされる準備が整っている。

 ところが今では「master」という言葉は、ITの世界の内外で嫌われるようになっている。Gitや、Gitを活用したソースコード共有サービス「GitHub」もこの流れに後れを取らなかった。GitHubは2020年10月から、新規作成リポジトリのデフォルトブランチを「main」という名前にした。GitHubがユーザー向けにmasterブランチをデフォルトで作成することはもうない。

 なぜGitHubはデフォルトブランチ名をmasterからmainに変えたのか。この変更は開発者にどのような影響を与えるかを見てみよう。

「master」「slave」は人種差別的

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

From Informa TechTarget

なぜクラウド全盛の今「メインフレーム」が再び脚光を浴びるのか

なぜクラウド全盛の今「メインフレーム」が再び脚光を浴びるのか
メインフレームを支える人材の高齢化が進み、企業の基幹IT運用に大きなリスクが迫っている。一方で、メインフレームは再評価の時を迎えている。

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...