Linuxでの「Vim」の使い方【第2回】
「Vim」は使ってみれば怖くない? サンプルで学ぶ“基本の基”
「Linux」の標準テキストエディタである「Vim」は、初心者にとってはあまりなじみのない使い方をするツールだ。サンプルスクリプトを使いながら、Vimの基本操作を解説する。
「Vim」は「Linux」の標準テキストエディタだ。ほとんどの操作をキー入力で実行する必要があるため、初心者にとってはなじみにくい可能性がある。本稿は、簡単なスクリプト(簡易プログラム)作成を例に挙げながら、Vimでのテキスト編集の基本操作を解説する。
Vimを使ってみよう
以下は、スクリプト作成を通じたVimのチュートリアルだ。VimをOSにインストールしたら、以下の例に従って使ってみるとよい。
手順1.編集用のファイルを開く
LinuxでVimを使うには、コマンドラインインタフェース(CLI)を通じてコマンドを実行する「ターミナルエミュレータ」(ターミナル)を利用する。作成したいファイル名を引数として、Vimを起動するための「vim」コマンドを実行する。カレントディレクトリ(現在の作業ディレクトリ)に指定したファイルが存在する場合、Vimはそのファイルを開き、存在しない場合は新たに作成する。以下の例は、ターミナルからVimを起動して「simplescript.sh」というファイルをオープンまたは作成するためのコマンドだ。
vim simplescript.sh
Vimは通常「ノーマルモード」(コマンドモード)で起動する。ノーマルモードは基本的な編集操作を実行でき、キー入力をコマンドとして受け付けるモードだ。「i」キーを押すと「挿入モード」になり、Vimのウィンドウの左下に挿入モードであることを示す「INSERT」が表示される。挿入モードでは、ファイルにテキストを入力できる。
手順2.ファイルを編集する
併せて読みたいお薦め記事
連載:「Vim」の使い方
Linuxの使い方
手順1で、Vimを使ってスクリプトを作成する準備が整った。ファイルの1行目には、「UNIX」およびLinuxのスクリプトファイルにおいて、スクリプトを読み込むインタープリタを指定するための文字列「シェバン」(「シバン」とも)を入力する。インタープリタとは、プログラミング言語やスクリプト言語で書かれたソースコードを行ごとに読み込み、解釈して実行するプログラムを指す。シェバンを入力したら、2行目にスクリプトの説明コメントを入力する。以下がその例だ。
#!/bin/bash
#これはサンプルスクリプトです
次に、実行するスクリプトとそれを説明するコメントを記述する。以下のスクリプトは2行目で、文字列を表示するコマンド「echo」と、ユーザーアカウント名を表す環境変数(OS内でデータを共有するための変数)「$USER」を使って、「Hello (ユーザーアカウント名)」と表示する。3行目で、現在の日時を取得するコマンド「date」と、コマンドを実行した結果でその部分を置き換える「$()」を組み合わせ、スクリプトを実行した日時を表示するという流れだ。
# エンドユーザーにあいさつして今日の日付を表示する
echo "Hello $USER"
echo "Today's date is $(date)"
手順3.ファイルを保存して閉じる
スクリプトの編集が完了したら、変更を保存してVimを終了する。SCキーを押すと、挿入モードからノーマルモードに切り替えることができる。Vimでモードを変更するには、ノーマルモードを経由させる手順を踏むことが一般的だ。
次にファイルを保存する。ノーマルモードで「:」キーを押せば、コマンドを実行するための「実行モード」が起動する。実行モードでは、Vimの左下にカーソルを移動させて「:」キーを押すと、Vimがコマンドを受け付けるようになる。ここで「w」(書き込み)と入力すると、変更を保存可能だ。これは作業中のファイルを保存する際によく用いられる一連の操作だ。
Vimを終了してターミナルに戻るには、実行モードで「:q」を入力する。保存と終了を一度に実行するには「:wq」、変更を保存せずに終了する場合は「:q!」と入力する。
手順4.スクリプトを実行する
作成したスクリプトファイルに実行権限を付与すると、実行可能になる。ファイルエクスプローラーでスクリプトファイルを選択して実行すれば、動作を確認可能だ。ターミナルで以下のコマンドを入力することでも実行できる。「chmod」は、ファイルのパーミッション(ユーザーグループ別の利用権限)を設定するコマンドだ。「./」は、カレントディレクトリにあるスクリプトファイルを指定し、実行するために用いる。
chmod 755 simplescript.sh
./simplescript.sh
次回は、Vimの応用的な使い方を紹介する。
TechTarget発 エンジニア虎の巻
米国TechTargetの豊富な記事の中から、開発のノウハウや技術知識など、ITエンジニアの問題解決に役立つ情報を厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 エンジニア虎の巻
米国TechTargetの豊富な記事の中から、開発のノウハウや技術知識など、ITエンジニアの問題解決に役立つ情報を厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社MatrixFlow] 「物流リソース最適化」ガイド:人員・配車・傭車を出庫依頼の確定前に決めきる -
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
2
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
3
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
4
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
5
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
6
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
7
「結局使わなくなる」Microsoft 365 Copilotを半年で定着 キリンの3施策
-
8
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
9
「中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティ運用実態」に関するアンケート
-
10
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー