Linuxでテキストを編集する際、標準ツールである「Vim」を利用することが選択肢に上る。Vimでは何ができるのか、Vimを使うにはどうすればよいのかといった基本的な項目を解説する。
「Vim」は「Linux」の標準テキストエディタで、テキスト編集を効率的にするさまざまなコマンドや機能を有する。そもそもテキストエディタでは何ができ、根強く使われているVimにはどのような特徴があるのか。本連載はVimの概要や始め方、テキストエディタの基本などを解説する。
テキストエディタとは、テキストを入力するためのシンプルなツールで、基本的な作業に適している。テキストエディタと似たツールに文章編集ソフトウェアがあるが、こちらは文字のスタイルやフォーマットの編集などの豊富な機能を持つため、より複雑な作業が可能だ。
テキストエディタは、Linuxにおけるシステム管理作業の中核を成す。例として、通信プロトコル「SSH」(Secure Shell)の設定ファイル「sshd_config」を編集する際にテキストエディタを使用することになる。システムの保守やバックアップを実行するためのスクリプトを作成する際も利用可能だ。そうしたファイルの例としては、自動化ツール「Ansible」に読み込ませる、構造化データ用フォーマット「YAML」形式の設定ファイルがある。
VimをLinuxにインストールする際は、パッケージ管理システムを使って追加する方法が一般的だ。パッケージ管理システムは、パッケージ(拡張機能群)の取得やバージョン管理などをするためのツールを指す。Linuxで利用できるパッケージ管理システムは、「Red Hat Enterprise Linux」(RHEL)、「Debian」などのLinuxディストリビューション(配布パッケージ)によって異なる。
RHELなどのRed Hatが提供するディストリビューションでは、次のコマンドを実行する。「sudo」は管理者権限を付与するためのコマンド、「dnf install」はパッケージ管理システム「dnf」を使ってパッケージをインストールするためのコマンド、「vim」はインストールするパッケージ名を表す。
sudo dnf install vim
DebianをベースにしたLinuxディストリビューションの場合は、以下のコマンドを使用する。「apt-get」は、パッケージ管理システム「APT」を使ってパッケージのインストールや更新といった管理を実施するコマンドで、続く「install」によってインストールを実施することを示す。
sudo apt-get install vim
パッケージ管理システム「Homebrew」を利用する場合は、以下のコマンドを使用する。ここではHomebrewを使うためのコマンド「brew」を用いている。
sudo brew install vim
WindowsにVimをインストールするには、Vimの公式サイトからインストーラーをダウンロードして、そこからインストールを実施する。
Linuxをサーバ用OSとして使う場合、たいていはGUI(グラフィカルユーザーインタフェース)を持たないため、キーボードを使ってファイル操作をすることになる。
Vimでは、複数のモードを通じてファイルを操作する。Vimが提供する、4つの主なモードは以下の通り。
Vimのモードを変更すると、キーボードのキーと機能の対応が変更になる。例えばノーマルモードでは、「x」キーは文字を削除するためのキーだ。一方挿入モードでは、xキーは単に「x」という文字を入力するためのキーとなる。
次回は、Vimの基本的な使い方について手順を追って説明する。
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