テレワークに最適なモバイルホットスポット【前編】
テザリング vs. モバイルルーター 「無線LAN」接続するならどちらがいい?
持ち運びできる無線LANアクセスポイントの選択肢として、スマートフォンのテザリング機能と、モバイルホットスポット専用デバイス(モバイルルーター)がある。両者の特徴を比較する。
持ち運びできる無線LANアクセスポイントである「モバイルホットスポット」には、スマートフォンやタブレットといったモバイルデバイスの「テザリング」機能を使う方法と、専用デバイス(日本国内では「モバイルルーター」の名称が一般的)を使う方法の2種類がある。
どちらの方法にもメリットとデメリットや制約がある。テザリングとモバイルルーターの特徴を比較する。
無線LAN接続なら「テザリング」と「モバイルルーター」のどっち?
テザリングはスマートフォンやタブレットの一般的な機能で、モバイルデバイスを無線LANルーターとして機能させる。
通信の安定したあるいは安全なインターネット接続が周囲にないテレワーカーは、スマートフォンのテザリング機能を簡単に設定し、ノートPCやタブレットを無線LAN接続することで、通常の無線LANと同じようにインターネットにアクセスできる。それに対してモバイルルーターとは、ホットスポット接続を提供するための専用機器だ。一般的には独自のデータプランが付属している。
モバイルデバイスのテザリング機能には以下の制限事項がある。
- バッテリーの消費が早まる。テザリング機能を使用する際は、モバイルデバイスを電源に接続した方がよい。
- 膨大なデータ通信量を伴う作業でない限り、2台から3台までのクライアントデバイスの同時接続を効果的にサポートできる。モバイルデバイス1台につきクライアントデバイス1台のテザリングだけにとどめると、安定した通信を維持できる。
- モバイルデバイスのデータ通信量を大量に消費する。
以上のような理由により、用途によってはモバイルルーターが適している。スマートフォンのテザリング機能の方が費用対効果は高いが、モバイルルーターの方が機能や性能に優れる傾向にある。モバイルデバイスのテザリング機能とモバイルルーターのどちらを選択するか決めるに当たり、両者とその機能を比較分析することが重要だ。両者の併用が最適なケースもある。
企業のIT管理者は、自社のニーズを評価し、使用するデバイスを決定する必要がある。次の表に、モバイルデバイスのテザリング機能とモバイルルーターの違いをまとめた。
■表1 モバイルデバイスのテザリング機能とモバイルルーターの違い
| 特徴 | モバイルデバイスのテザリング機能 | モバイルルーター |
|---|---|---|
| 費用 | 既存のモバイルデバイスを利用できるため、費用を抑えられる | モバイルルーターの費用がかかる |
| クライアントデバイス同時接続数 | 少数までなら同時接続できるが、通信パフォーマンスが低下する可能性がある | 一般的には10台から30台の同時接続をサポートしているため、遠隔地でのグループやチームの共同作業やミーティングに利用できる |
| バッテリー駆動時間 | モバイルデバイスのバッテリー消費が早まる | 6時間から24時間の連続使用に耐えるバッテリーを備える機種が多い |
| データプラン | 通常、モバイルデバイスのデータプランに組み込まれているが、テザリングを利用料金範囲から除外しているプランもある | さまざまなデータプランがあり、デバイスに付帯しているものもある。 |
| 国をまたいだ利用 | 端末にSIMロックが設定されていなければ、それぞれの国の通信事業者のSIMカードを入れ替えて使用する | SIMロックされているものもあるが、ほとんどはSIMフリーだ。一部のデバイスは、特定のエリアでしか使えない |
| 料金 | 通信事業者との契約プランの料金に準じる | 米国では20ドルから1000ドルのものまで存在する。個人用のポケットサイズのものから、32台のクライアントデバイスが同時接続できるものまで、デバイスに応じて料金は異なる |
一人で活動する従業員にとっては、スマートフォンのテザリング機能で十分だと考えられる。より強固なセキュリティを必要とするチームで利用する場合は、複数のクライアントデバイスの同時接続が可能で、設定できる項目の多いモバイルルーターが最適だろう。
従業員のスマートフォンにテザリング機能がない場合や、契約中のデータプランにテザリング機能を使った通信が含まれていない場合は、安価なモバイルルーターの購入を検討できる。総合的な観点からニーズに合った選択が必要だ。
次回はモバイルルーター契約時の注意点について解説する。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[株式会社キーエンス] PCが苦手でも自動化できる ポポラマーマなど4事例に学ぶ「ナビ搭載型RPA」活用 -
製品資料
[株式会社クレオ] IT部門を“価値創造組織”へ転換 IT管理プロセスの改革で戦略的リソースを確保 -
製品資料
[株式会社クレオ] Excel管理が限界に――ITサービス管理の脱・属人化と運用高度化を実現する方法 -
製品資料
[株式会社クレオ] 西武グループやイオングループも実践 事例に学ぶ「ITサービスデスク業務」改善 -
製品レビュー
[株式会社クレオ] 「使われないITシステム」から脱却 現場が求める業務改善を実現する方法
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
2
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
3
「レガシーシステム・老朽化システムの運用課題と刷新」に関するアンケート
-
4
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
5
1回で分かる:仮想マシンを丸ごとバックアップする「VADP」の仕組み
-
6
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
7
セキュリティは「情シス任せ」が過半数 漏えい発生時やSCS評価制度の課題は?
-
8
脱VMwareか、継続か? 仮想化ソフト主要6製品の運用管理と統制機能を徹底比較
-
9
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
-
10
世界PC出荷数が20%急減 情シスを直撃するPC先行調達の反動と価格高騰
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
2
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
3
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
4
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
5
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
6
プログラミング不要で誰でも実現できる、ネットワーク運用管理の自動化とは
-
7
東大教授と考える、AI時代の「データ主権」「信頼性」「ガバナンス」の在り方
-
8
Linux初心者でも知らないとまずい「RHEL」「SLES」の違いとは?
-
9
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
10
生成AIの活用を阻む「5つの壁」とは? AIネイティブ組織へ変革を遂げる方法
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー