「Open-Channel SSD」がある意味を考える【後編】
SSDのパフォーマンスを上げるには? “次世代技術”は普及するのか
SSDの読み書きパフォーマンスを最適化して高速にする次世代のアーキテクチャがある。まだ広く使われているわけではないが、これからの普及が期待される仕組みだ。
次世代のストレージ技術として、従来の一般的なSSDとは異なる新しいアーキテクチャがある。それは特にデータ読み書きの高パフォーマンスが求められる用途で活躍すると考えられる仕組みだ。まだ広く使われているわけではないが、今後の普及には期待がかかる。
SSD高速化のアーキテクチャは普及するのか
併せて読みたいお薦め記事
連載:「Open-Channel SSD」がある意味を考える
SSDの容量増大も要注目
コントローラーではなくホストマシン(サーバ)のOSが制御タスクの一部を担うことで、パフォーマンスの最適化を可能にする仕組みとして「Open-Channel SSD」がある。一般的なSSDではコントローラーが内部の制御を自動で実行するため、ユーザーがパフォーマンスを細かく最適化することはできない。
このOpen-Channel SSDの仕組みを生かせば読み書きパフォーマンスを高めることが可能だが、そのメリットを享受するには、アプリケーションがOpen-Channel SSDを認識し、ホストマシンのSSD制御ソフトウェアと通信できなければならない。
ホストマシンにSSDを制御する役割を与えても、アプリケーションが連携せず、独立して実行されるのでは意味がない。それでは通常のSSDと変わらない。Open-Channel SSDのアーキテクチャをサポートしていない既製のアプリケーションを使用しても、データセンターはOpen-Channel SSDのメリットを得られないのだ。
商用アプリケーションは、一般に普及しているハードウェアで動かすことを前提に開発される傾向にある。Open-Channel SSDを使用するには、そのためのハードウェアが必要になるが、ユーザー企業にとってはハードウェアを導入した後に別のハードウェアに移行する判断は簡単にはできず、十分な理由が必要になる。そもそもOpen-Channel SSDで使えるアプリケーションがなければ、ハードウェアを移行する十分な理由は生まれようがない。
そうした事情もあり、Open-Channel SSDを使用しているのはほぼハイパースケーラー(大規模データセンターの事業者)に限られる。これは驚くことではない。ハイパースケーラーは自社のアプリケーションを完全にコントロールでき、Open-Channel SSDをサポートするように変更を加えることができるからだ。
ハイパースケーラーは、コスト削減に役立つ新しいタイプのハードウェアとしてOpen-Channel SSDを採用し、そのためにアプリケーションのソースコードを書き直すことにメリットがあると考えている。データセンターの10万台のサーバそれぞれで10ドル節約できれば、100万ドルのコスト削減になる。アプリケーションを書き直すために5億ドルかけたとしても十分なリターンが得られるわけだ。
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国Informa TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[日本オラクル株式会社] ピンチをチャンスに変えたEPR製品は? 先行企業の導入事例3選 -
技術文書・技術解説
[日本オラクル株式会社] 無自覚なリスク 秘伝Excelファイルが監査の壁、不正・ミスの温床となる理由 -
製品資料
[日本オラクル株式会社] 戦略的経理の第一歩 失敗のない「脱Excel」を実現する秘訣とは? -
技術文書・技術解説
[日本オラクル株式会社] いまさら聞けないオンプレERPとクラウドERPの違い 最適な製品をどう見極める? -
事例
[株式会社ビザスク] 連結売上高が約2倍に成長、富士フイルムが実践した新規事業創出の戦略とは?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
2
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
3
慶應義塾が「Notion」を選んだ理由 AI導入の盲点になる“情報のサイロ化”
-
4
「企業内サーバ環境の利用実態」に関するアンケート
-
5
エンジニアの生産性はどう測る? マネジメントに不可欠な可視化の実現方法とは
-
6
「ノートPC派」は損をしている? Dellと考える“自作PC”のメリット
-
7
「IoT通信環境の構築・運用」に関するアンケート
-
8
大阪証券取引所がHiRDBで実現した「世界トップレベルの応答速度」を誇る新売買システム
-
9
「Copilot」はなぜ放置される? “議事録要約止まり”を脱する処方箋
-
10
ただなのに「12時間以内の復旧」も要求 無償OSSに商用レベルを求める企業の末路
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
2
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
3
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
4
バックアップは“取っているから大丈夫”なのか? ランサムウェア時代の備え方
-
5
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
6
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
7
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
8
5分で分かる Microsoft 365のデータ損失に備えるためのバックアップの仕組み
-
9
ネットワーク遅延の原因、「パケットロス」の基礎知識と効果的な解決策
-
10
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー